出版社内容情報
誰一人取り残さない都市は
どう実現できるか
――“社会的排除”を図る指標の移り変わり
――新旧住民の摩擦を防ぐ “反うわさ戦略”とは
――観光への反感を生まないオーバーツーリズム対策
気候変動や移民の増加、都市の分断やオーバーツーリズムなど、現代の都市は複合的な課題に直面している。本書は、欧州と日本における都市政策や地域実践を手がかりに、そうした問題に対して都市はいかに応答してきたのかを多角的に描き出す。
社会的排除を可視化する指標、非営利組織や大学との協働、空地の農的活用、食と農を通じた移民包摂、そして観光の再設計まで。制度や空間の設計、人と人の関係づくりに着目しながら、包摂的な都市を構想するための視座と実践の知を提示する一冊。
【目次】
はじめに|都市の社会的包摂はなぜ目指されなければならないのか?
第I部 都市政策に何ができるか
1章|《社会的排除》を可視化する――欧州の地域・都市政策における指標と目標
1. 誰のための持続可能性か――格差・貧困・社会的排除への欧州の応答
2. EU における地域・都市政策の漸進的展開
3. 社会的排除を可視化する──欧州の指標体系と都市再生政策の連動
4. 地域空間の包容力の観点から見るEU の地域・都市政策の現在
5. 包容力のある都市空間の実現に向けたその他の実践
2章|非営利非政府組織の役割を捉え直す――協働型アプローチによるパートナーシップの可能性
1. コミュニティ概念の射程と本章における用法
2. 伝統的政治支配と地域社会――日本の文脈
3. インクルーシブ・コミュニティと非営利非政府組織
4. ローカルガバナンスと社会的包摂
5. パートナーシップの進化と課題
6. ローカルプライドと共生のゆくえ
3章|誰も取り残さない気候変動対策へ――「公正な移行」概念の発展と政策実装
1. 「公正な移行」とは何か――低炭素化を包摂的に進めるための国際的理念と政策課題
2. 労働現場の問題から、社会と環境の課題へ――公正をめぐる理念の拡張
3. 国際政策としての展開――気候行動と社会的公正の統合へ
4. 理念から実装へ――スコットランドにみるアプローチ
5. 地域から始める統合的移行ガバナンス――理念・制度・実践を結ぶ3層モデル
6. 公正な移行への課題と展望――地域からの再構築に向けて
第II部 空間からアプローチする
4章|都市の周縁部にアプローチする――都市内格差の解消を図るバルセロナの界隈プラン
1. 周縁地区からの都市再生
2. コミュニティを統合的に再生する──カタルーニャ州「界隈法」
3. 都市再生後の断層を修復する──バルセロナの界隈プラン
4. 都市の脆弱性を戦略的に改善する──フェーズごとのプラン展開
5. 空間再生と社会的包摂の接続
5章|都市の空地を農的に活用する――「緩やかな囲い」が育む閉鎖と開放のあいだ
1. 空地と「迂回する経済」
2. 緩やかな囲い――公共性を支える空間装置として
3. スペイン・セビリアの代替経済とレイ・モロ農園
4. 閉ざされた私有地を開く「まち畑プロジェクト」の実践
5. 正解のない包摂を支える空地活用の実践に向けて
第Ⅲ部 人の関係を編み直す
6章|移民問題に食農から取り組む――イタリア南部農村地域のソーシャル・イノベーション
1. 食農分野に求められるソーシャル・イノベーション
2. イタリアの食農によるソーシャル・イノベーション
3. 農業・農村における社会的包摂──南イタリア農村から
4. プーリア州にお
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