出版社内容情報
地球環境への意識が高まる中、建築設計のあり方も変わっている。本書では環境をテーマに自治体・企業と共同プロジェクトを行ってきた九州大学BeCATの実践から、循環時代の新しい設計手法のプロトタイプを提示する。エネルギー・資源循環・事物連関など7つのテーマで、地域性を踏まえつつ先端技術を用いた試みを紹介。
【目次】
はじめに
建築で循環をデザインする 末光弘和
大学・企業が共創し社会実験する建築設計教育 末廣香織
1章 循環の時代の建築デザイン
座談会─持続可能な世界の実現のために、新しい建築のあり方を問う
重松象平・末廣香織・末光弘和・吉良森子・百枝優
循環にまつわる7つのテーマ
エネルギー/資源循環/事物連関/経済と環境/環境と形/時間軸/新しい風景
2章 循環×建築 7つの社会実験から導く設計手法のプロトタイプ
01 環境解析が導く地域の風景
「糸島の環境住宅」BeCAT×JR九州住宅
先進事例分析:一宮のノコギリ屋根/ソトマで育てる、ソトマで繋がる
02 時間の多層化と持続可能性
「酒蔵ガルテン」BeCAT×杉能舎
先進事例分析:倉敷アイビースクエア/神田錦町オフィスビル再生計画
03 建築と経済の関係性のデザイン
「ステップコモンズ」BeCAT×大和ハウス工業
先進事例分析:元新道小学校跡地活用計画/BONUS TRACK
04 資源の視覚化がもたらす共感
「またいちの塔」BeCAT×またいちの塩
先進事例分析:みんなの森ぎふメディアコスモス/アクロス福岡
05 循環システムが生む新しい幾何学
「廃材の茶室」BeCAT×GreenProp
先進事例分析:Kamikatz Public House 上勝ゼロ・ウェイストセンター/10kyoto
06 資源のアップサイクルが内包する地域の固有性
「牡蠣殻ブロック」BeCAT×福岡 ILB
先進事例分析:SHIRASU 鈴木亜生/トンバイ塀
07 事物連関ネットワークへの接続
「竹林の仮設舞台」BeCAT×演劇空間ロッカクナット
先進事例分析:まれびとの家/湖月庵
進行中のその他のプロジェクト
農学部創立百周年記念交流スペース/トルコ地震復興交流スペース/Rain Catcher/
ソイルカーペット/アスミオ・本社ビルプロジェクト
プロジェクトを担当して、今思うこと ─ 中原拓海、福田哲也、井田久遠、楠元彩乃
3章 未来に向けて何ができるのか
論考1 アジア型環境建築のプロトタイプ 末光弘和
論考2 21世紀のモダニズムの入り口で 吉良森子
論考3 理のある建築、コモンズの象徴として 百枝優
おわりに─ローカルな試みが導くグローバルな展開可能性 重松象平・末廣香織
BeCATにおける建築と環境─5年間の取組み年表