出版社内容情報
「テーマパークの茅葺屋根、防火の規制は大丈夫？」「あの建物はなぜ変な形？」大好評の建築基準法ブロガーが、街で見かける建物や、有名建築家の設計作品、話題のトピックや実際の事件などを建築法規の視点でマニアックに解説。難解な法規も「面白い」に変わる、身近で気になる４０事例。楽しく読めて設計にも役立つ一冊。
【目次】
はじめに
第1章 防火：計画の幅を広げる適用除外の活用方法
1．ディズニーシーに「茅葺き屋根」をつくるための法適合のひと手間
コラム：他にもまだある！テーマパークに隠された建築法規
2．隈研吾設計「TOYAMAキラリ」──斜めの吹抜けをつくる上での意外な問題とその対策
コラム：建築基準法が難しいのは「性能規定」のせい？
3．「京都駅」のコンコース大空間と空中歩廊の大規模空間、面積区画はしなくていいのか
コラム：旧38条認定を取得した建築物は、増改築が困難に？増改築のための対策
4．どうして一部だけ網入りガラスを使った？「LINKS UMEDA」のスターバックス
5．「笠間保育園」全焼は建築基準法の想定範囲内？建材や内装に木を使用する燃えしろ設計
コラム：「60分耐火構造」VS「75分・90分準耐火構造」、どちらの方が優れている？
6．「日刊木材新聞社新社屋」──隣地側に開口部がつくれない！それでも準延焼防止建築物を計画するメリット
コラム：今話題！木を活用するための建築法規について徹底解説
7．「糸魚川市市街地火災」から生まれた建ぺい率の緩和。なぜ緩和を追加したのか
第2章 避難：非常時には安全に。平常時には溶け込むように
1．階段をあえて表につくった日建設計「荒川ビル」。実は、ただの階段ではない
2．商業施設の階段はどうして広くつくられているのか
3．メゾネット式の「ホテル」はつくれない？ その理由とは？
4．安藤忠雄設計「こども本の森」の絶妙な、デザインを損ねない非常用進入口
コラム：探してみよう！街に隠れた非常用の進入口・代替進入口
5．隈研吾設計「ONE表参道」──非常用の進入口がなくても法適合する理由
6．「北新地ビル放火殺人事件」──建築基準法は犯罪行為に対しても有効なのか
第3章 集団規定：建築物をできるだけ大きくするための創意工夫
1．実は「東京駅」は自身の容積率を売っていた！
2．大きな建物を建てるための奥の手・公開空地
3．道路幅員4m未満の京都市「昭和小路」。接道義務はどうなっているのか
4．どうして？2mの接道はしているのに、共同住宅が計画できない敷地
コラム：法規制を逆手に取って、コンセプトに昇華させた建築物
5．道路斜線が目に見えるビル
6．「神保町シアタービル」──なぜ、周辺の建築物より大きな建築物をつくれたのか？
コラム：他にもまだある！高さ制限が適用されない建築物
7．スカイツリーの高さは、634mではなく470m！建築基準法上の高さの算定方法
8．どうして下階がえぐれている？日影規制に適合しやすくするための手段
9．安藤忠雄設計「六甲の住宅」──斜面を有効活用して、中層に見える低層建築物を計画
コラム：建築法規に登場する数値はなぜ中途半端なのか
第4章 一般構造：身近にある疑問を解
