内容説明
戦後文学史にとどめられるべき作家・作品論20編。第26回関西文学選奨受賞。
目次
井伏鱒二の戦後1―『遙拝隊長』に托されたもの
井伏鱒二の戦後2―『黒い雨』に見る原爆告発
宮本百合子『播州平野』―戦後文学における民主なる第一声
野上弥生子の昭和10年代―『迷路』に見る反時代的考察
円地文子『食卓のない家』―「傷ついた獅子」の孤独なるロマン
高井有一の内なる老境―『夜の蟻』に見る今日の家庭
堀田善衛『方丈記私記』―黙示録的終末観
大江健三郎『セヴンティーン』―仮構の絶対者「天皇」への情念
遠藤周作『深い河』―苦悩する現代人と宗教
吉村昭『桜田門外ノ変』―歴史小説にこめられた今日的意味〔ほか〕