出版社内容情報
世界が注目する作家キム・チョヨプ初のエッセイ、待望の邦訳!
「書きたい」わたしを見つける読書の旅
「わたしをとびきり奇妙で輝かしい世界へといざなってくれた。そんな偶然の瞬間を、及ばずながらここに記していこうと思う。」
本が連れていってくれた偶然の瞬間、
「作家キム・チョヨプ」になるまで
「なぜ物語を書くのか。その根底にある思いを探るとき、わたしは街灯に沿って家路をたどっていた十七歳の夜を思い出す。」
キム・チョヨプ初のエッセイ『本と偶然』は、読書の道のりを振り返りながら、そこに「書きたい」自分を見つける探検の記録だ。
SFというジャンルについて説明を求められ答えを探すために本を読み、専門外のノンフィクションを書くために本を読む。そして小説を書くために本を読む。
「物語と恋に落ちるときのあの気分、それを再現したいという願いが、わたしの「書きたい」という気持ちのまんなかにある。」
読むことがどんなふうに書くことにつながるのか、出会った本が書き手としてのわたしをどんなふうに変えたのか、「読む人の読書から、書く人の読書へ」と変化するなかで「偶然本に出会う喜び」をありのままに綴ったエッセイ集。
冷たくも美しい世界の上に
キム・チョヨプが描くユートピア
「ひとりの人間の心を、内面世界を揺さぶり、消すことのできない痕跡を残して去っていく物語」。「わたしもいつかああいうものをつくりたい」という純粋な気持ちが、今日、「作家キム・チョヨプ」という世界の出発点となった。
日韓大ベストセラー『わたしたちが光の速さで進めないなら』、『地球の果ての温室で』、『この世界からは出ていくけれど』、『派遣者たち』、『惑星語書店』まで、リアルな創作秘話も垣間見られる貴重な一冊。
* * *
いまでも自分は引き出しのない作家だと思うけれど、以前ほど不安には思わない。わたしのなかで文章を書くことは、作家の内にあるものを引っ張り出すというより、自分の外にある材料を集めて配合し、積み上げていく、料理や建築に近いものに感じる。学び、探検すること、なにかを広く深く掘り下げること、世界を拡張すること。これらすべてが、わたしにとっては執筆の一環と言える。(「詰めこんでいればいつかは」より)
【目次】
日本語版への序文
はじめに
第1章 世界を拡張する
第2章 読むことから書くことへ
第3章 本のある日常
謝辞
キム・チョヨプの偶然出会った本たち
内容説明
「読むこと」と「書くこと」のあいだで喜びと苦悩が交錯する、駆け出し作家のドタバタ生存記&混乱の読書記録!
目次
第1章 世界を拡張する(「つまるところは人間の物語」という言葉;詰めこんでいればいつかは;なんやかんやでノンフィクションの出来上がり)
第2章 読むことから書くことへ(作法書、作家のトーテム;不純な読書生活;書評、批評、そしてレビュー)
第3章 本のある日常(本と偶然;冷たい宇宙のユートピア;完璧な仕事部屋を探して;わたしたちがもつ最善の道具)
著者等紹介
キムチョヨプ[キムチョヨプ]
1993年生まれ。浦項工科大学化学科を卒業し、同大大学院で生化学修士号を取得。在学中の2017年、第2回韓国科学文学賞中短編部門にて「館内紛失」で大賞、「わたしたちが光の速さで進めないなら」で佳作を受賞し、作家としての活動をスタート。2021年、キム・ウォニョンとの共著のノンフィクション『サイボーグになる テクノロジーと障害、わたしたちの不完全さについて』(岩波書店)で韓国出版文化賞を受賞
カンバンファ[カンバンファ]
翻訳家。韓日・日韓翻訳講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。



