出版社内容情報
世界には国境とは異なるさまざまな「見えない線」が存在する。
この境界線は細い線ではなく、地帯というある程度の広がりを持つ場合がある。こうした境界線・地帯は時代によってしばしば変化し、われわれと彼らを分断する原因となっている。
サッカーチームのサポーター立ち入り禁止区域から、不可解な進化の分岐点、デトロイトの悪名高き“8マイル・ロード”に沿って根強く残る人種分離、いまはもうない“鉄のカーテン”を越えるのを拒むシカの群れまで、私たちの世界が地理的、気象的、政治的、経済的、文化的、宗教的にどのように分断されているか、そしてなぜ分断が必要だったのかを、地理学の講師マキシム・サムソンが30か所取り上げ、その歴史と特徴を説明する。
世界の理解に役立つ、地政学リスクの解像度が上がる!
内容説明
サッカーチームのサポーター立ち入り禁止区域から、不可解な進化の分岐点、デトロイトの悪名高き“8マイル・ロード”に沿って根強く残る人種分離、いまはもうない“鉄のカーテン”を越えるのを拒むシカの群れまで、地球上に存在する30の見えない線を探る。
目次
第1部 「見えない境界線」が地球を理解するのに役立つ理由(ウォレス線―引いた線が現実のものになった;竜巻回廊―時間とともに変化していく境界線;赤道無風帯とサルガッソー海;南極周極流と南極収束線;北極樹木限界線;マラリア・ベルト;)
第2部 「見えない境界線」が地球環境に影響をおよぼしている(コカラル・ダム―不平等、格差、分断を生んだ;秦嶺・淮河線―新エネで暖房格差はなくなるか?;グリーンベルト;チェルノブイリ立ち入り禁止区域;イーム;国際日付変更線)
第3部 「見えない境界線」が人間に領有権を主張させている(トルデシリャス条約―世界一周によって、境界線が1本では足りなくなる?;ビル・タウィール―現実と仮想世界の境界線;アウトバック;地雷と構成体境界線;ブエノスアイレスのサッカー;ロサンゼルスのストリート・ギャング)
第4部 「見えない境界線」は“私たち”と“彼ら”をどう分けているか(8マイル―人種だけでなく生活や心を分断するもの;パリの郊外―住宅危機と移民の増加によってスラム化;平和の壁;ベルリンの壁;ウラル山脈;ボスポラス海峡)
第5部 「見えない境界線」は文化を守る砦(エルヴィム―物理的境界であり社会的境界でもある;アチェ―“道徳警察”のいる場所;北センチネル島;ブルターニュ地方の言語境界線;ドイツの方言境界線;バイブル・ベルト)
著者等紹介
サムソン,マキシム[サムソン,マキシム] [Samson,Maxim]
シカゴ・デポール大学の地理学の講師。イギリス信仰学校の入学方針、インドネシアの津波への対応、1933~34年のシカゴ万国博覧会など、さまざまなテーマの学術論文を発表。「宗教と信仰体系の地理学」(GORABS)研究グループの議長。近年、『ユダヤ教育ジャーナル』の副編集長に就任
染田屋茂[ソメタヤシゲル]
編集者・翻訳者
杉田真[スギタマコト]
翻訳者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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