内容説明
坐禅の「坐」という字は、土の上に人が二人相対していることだといわれる。その二人とは、自分と自分である。大地に坐って自分と自分の対話をし、自分の内側を観つめる、それが坐禅につながるというわけである。人間には二人の自分がある―真実をめざす自分と、虚妄に遊ぶ自分である。どちらが本当の自分であるかは、自分がいちばんよく知っているはずである。
目次
1部 「坐禅和讃」を読む(衆生本来仏なり;水と氷のごとくにて;衆生近きを知らずして;譬えば水の中に居て;六趣輪廻の因縁は;夫れ摩訶衍の禅定は;布施や持戒の諸波羅蜜;念仏懴悔修行等;一坐の功を成す人も;辱くも此の法を;いわんや自ら廻向して;因果一如の門ひらけ;三昧無礙の空ひろく;此時何をか求むべき)
2部 白隠禅への道
3部 こころを見つめる
生命力あふれる心を求めて―エピローグ