内容説明
誠意とは何だろうか。人は人の誠意ある気持ちに好感を抱く。誠意が感じられる人は肯定的に受け止められ、誠意が感じられない人は否定的に受け止められてしまう。しかし、時として誠意は独り善がりになってしまうこともある。誠意の語意は多義的であり、場面によっても、関係性によってもその意味や捉え方は異なってくる。本書は、誠意の概念を人を支える社会福祉実践の場面にあてはめ、その取り組みに通じる誠意とは何かについて探求するものである。人を支える誠意の形成にむけて援助者と利用者との関係性から探っていく。
目次
第1部 人を支えることと「誠意」―問題意識と目的(「誠意」への関心;「誠意」とは何か;社会福祉実践を支える価値規範としての「誠意」)
第2部 人を支える「誠意」の探求―実証的検討(調査1 サービス利用者が援助者に求める「誠意」;調査2 事業者がサービス提供上に意識する「誠意」;調査3 苦情を通して表出される「誠意のなさ」への批判;調査4 苦情事例に基づくサービス提供上の「誠意」の崩壊)
第3部 人を支える「誠意」とは何か―得られた知見(人を支える「誠意」の形成;人を支える「誠意」の連関;人を支える「誠意」とは―援助関係に表わされる「誠意」)
著者等紹介
倉田康路[クラタヤスミチ]
1966年長崎県生まれ。現在、西南学院大学・大学院教授、博士(社会福祉学)、社会福祉士。社会活動:日本社会福祉学会理事、国民生活の将来像懇話会委員、社会福祉士国家試験委員などを経て、日本看護福祉学会副理事長、日本地域福祉学会理事、教科書図書検定調査審議会臨時委員ほか(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。