内容説明
人は、誰しも同じ顔をもたない。人は、すべて個性のある顔をしている。だが、これは顔だけではない。人は、身体にも、心にも、その行動にも、すべてかけがえのない個性をもつ。人びとのもつこの個性を、ひとまとめにせず、それぞれが世の中で唯一のものと考えれば、当然尊重されよう。また、人は、生きているかぎり、活発に動き、子どもも大人になる。単純な存在が、分別のある人物となる。この「人間の本質」と「自己実現」とは、いったい何だろう。その問いの解答が本書にある。
目次
第1章 東洋的認識と西洋的認識―主体変様的と客体観察的
第2章 「自己実現」の文化心理学的考察
第3章 森田正馬の宗教観
第4章 「自己肯定力」を育む教育の原理と可能性
第5章 わが国における「自己実現」の受容の現状
第6章 自己実現における健康概念と適応概念
第7章 個性尊重の意味をめぐる一考察
第8章 ストローク概念から見た人間形成論
第9章 中江藤樹における自己実現過程
第10章 「出会い」をめぐって
第11章 人間的成長を支える健康教育
第12章 人間の本質とスピリチュアリティの覚醒
第13章 事例から見た生きる質の問題としての「生きがい」