内容説明
ケースワークの理論的実践的研究面では、戦後の社会福祉の各論争をとおして解明された政策制度論と技術論の統合化の理論的究明、あるいはわが国の歴史的現実に対応したケースワーク理論の構築などの研究課題は、残念ながら今日、自覚的研究や注目すべき成果は殆んど認められない。このような問題状況に対する筆者なりの反省と責任のもとで、一貫して社会科学的立場からわが国の社会福祉とケースワーク研究の展望を求めて多少なりとも貢献するために、このたびその後の重要な論文を補充して改訂増補することにした。
目次
第1章 わが国におけるケースワークの現状と課題
第2章 公的扶助ケースワークの変遷と課題
第3章 バイステックのケースワーク原則の批判
第4章 ケースワークの内在的機能と限界―ケースワークの独自・固有性の確定のために
第5章 戦後のケースワーク理論研究の系譜と課題
第6章 ケースワークの対象理解についての問題
第7章 ケースワークの本質理解についての問題
第8章 ケースワークの対象と本質について
第9章 ケースワーク論の展望
第10章 ケースワークにおけるリサーチの1例―相談、却下・取下、廃止ケースの事例分析