内容説明
本書は、現象学的視点にたつ研究・実践の蓄積と、みずから20年余にわたる臨床の場(IPRトレイニング)に身をおいてきた体験をふまえて、人間関係の存在論的な解明にむけてふかく考察を加えていくもので、あたらしい人間関係学の理論と実践の構築をめざした労作・定本である。
目次
第1部 人間関係学の課題と方法(「人間関係」ということば;方法としての人間関係;人間関係学の提唱;現実科学としての心理学;心理学の現象学的展開;二つの科学―somethingnessとnothingness;認識経験における公的と私的)
第2部 人間関係学の諸問題(セルフ・コントロールと自己変容;フロム・ライヒマンにおける「役割」の問題;「出会い」の心理学;日本人の自己;現代の人間科学と精神分析;宗教と科学;意識と気づき;行動と意識)
第3部 グループ・アプローチと人間関係学(身体的リアリティとしてのグループ;集団の現象学―グループ・アプローチへの方法論的寄与)