出版社内容情報
具体の独特な性質はどのようにまわりの事物に映し出されるのかを身体の動きや空中、水中での光や波動の拡がりなどから探る。
野中哲士[ノナカテツシ]
内容説明
やわらかいからだと地上環境の出会い―「具体」から知能を読み解く。
目次
1章 多の原理(厄介なからだ;張力による組織;ゲルファントのアイデア;四肢麻痺の書家)
2章 テンセグリティ―媒質としてのからだ(フラーのアイデア;細胞のテンセグリティ;テンセグリティと触力覚)
3章 環境へ―「まわり」との遭遇(水の触覚;ギブソンの媒質論;変異の法則;具体と出会う探索)
4章 予見のまわり(外野手の問題;あらかじめ結果を見ること)
著者等紹介
野中哲士[ノナカテツシ]
神戸大学大学院人間発達環境学研究科准教授。1972年生まれ。東京大学文学部美学芸術学専修課程卒業。音楽家として活動したのち、東京大学大学院学際情報学府博士課程修了、博士(学際情報学)取得。社会科学高等研究院(フランス)研究員、吉備国際大学准教授を経て2014年より現職。ハーバード大学ヴィース生物規範工学研究所客員研究員、社会科学高等研究院客員研究員を併任。専攻は心理学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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人生ゴルディアス
4
テンセグリティは新しい知見。人体を個々の構成要素の組み合わせというよりかは、行動に対応する物理的な不変の要素(物を動かしたときのモーメントや、移動に対する光源からの光の変化など)を抽出し、その不変の要素に全体として対応するシステムとみなす。とても正しそうに聞こえる。また、人間が能動的に行動するきっかけがどこにあるのか、というのを環境に求めるのは、よい発想の転換だと思う。驚くべきは、これだけ理路整然としているのに、なんと心理学の分野の話であり、著者は皆文系っぽいこと。医者も生物学者も物理学者もいない!2018/10/19
takao
1
ふむ2023/07/06