出版社内容情報
発達障害の診断・支援に必要なアセスメントツールの特徴と活用法を、医療・心理・教育・福祉領域の支援者に、わかりやすく解説。経験豊富な臨床家が、日本国内で使用可能で、かつ世界で使用されているグローバルスタンダードな発達障害の発見・診断・支援計画に必要なアセスメントツールの特徴と活用法を、医療・心理・教育・福祉領域の支援者を対象に、平易にわかりやすく解説。適切で包括的なテストバッテリーを組んだ10ケースの活用事例も紹介し、今後のアセスメントに役立つ「発達障害のアセスメントの新常識」となるガイドラインである。
まえがき
●第1章 発達障害児者の心理アセスメントの現状と有効な活用の仕方
第1節 福祉機関における心理アセスメントの活用の実態
医療・福祉機関におけるアセスメントツールの利用実態に関する調査/障害福祉におけるアセスメントの課題/アセスメントツールを用いることの重要性/数値化することの意味/アセスメントツールを用いることの重要性/信頼性・妥当性の解説/アセスメントツールを用いることの重要性/Q&A
第2節 心理アセスメントを活用することの有効性
心理アセスメントとは? /環境要因,特に養育環境が発達に及ぼす影響/反社会的行動のリスクをもつ発達障害児者へのアセスメント
●第 2 章 発達障害領域でよく使用されるアセスメントツール
第1節 知能検査・発達検査
ウェクスラー式知能検査/田中ビネー知能検査/新版K式発達検査/日本版ベイリ-III 乳幼児発達検査/KABC-?/ASQ-3(Ages and Stages Questionnaire, Third Edition)/その他の知能検査・発達検査/知能検査・発達検査【総括】
第2節 適応行動(生活能力)のアセスメント
日本版Vineland?適応行動尺度/新版S-M社会生活能力検査/ASA旭出式社会適応スキル検査/適応機能のアセスメント【総括】
第3節 情緒と行動の問題のアセスメント
CBCL・TRF/SDQ(Strengths and Difficulties Questionnaire)/異常行動チェックリスト日本語版(ABC-J)/日本版感覚プロフィール (Japanese Version of the Sensory Profile: SP-J) /RBS-R(アールビーエスアール)日本版/不適応行動のアセスメント:強度行動障害/不適応行動のアセスメント【総括】
第4節 ASDのアセスメント
M-CHAT(エムチャット)日本語版/AQ(エイキュー)日本語版(自閉症スペクトラム指数 Autism-spectrum quotient)/PARS(パース)/小児自閉症評定尺度:CARS(カーズ)日本語版とCARS2-HF(カーズ・ツー・ハイファンクション)/PEP-3(ペップスリー:心理教育プロフィール3)/TTAP(ティータップ:TEACCH移行アセスメント)/DISCO -11日本語版(ディスコ11)/ADI-R 日本語版(エーディーアール)/ADOS(エイドス)/ASDのアセスメント【総括】
第5節 ADHD・LD・DCDその他のアセスメント
ADHDの評価尺度 /CAARS(カーズ)日本版 /LDI-R(エルディーアイ・アール:LD判断のための調査票)/教研式標準学力検査NRT(集団基準準拠検査)/音読検査/言語系のアセスメント/書字のアセスメント/算数のアセスメント/協調運動機能のアセスメント:DCDQ-R,Movement-ABC2(M-ABC2)/感覚と運動のアセスメント─JMAPとJPAN─
●第 3 章 アセスメントツールの活用の仕方?発達障害の発見,診断のためのアセスメント
第1節 知的障害の発見,診断のためのアセスメント
ICD-10およびDSM-IV-TRにおける知的障害の診断基準
第2節 自閉症スペクトラム障害の発見,診断のためのアセスメント
ASD(自閉症スペクトラム障害)
第3節 ADHDの発見,診断のためのアセスメント
ADHD
第4節 LD(学習障害)の発見,診断のためのアセスメント
LD(学習障害)
第5節 発達性協調運動障害の発見,診断のためのアセスメント
発達性協調運動障害(Developmental Coordination Disorder: DCD)
●第 4 章 支援計画のためのアセスメントの活用
第1節 知的障害の支援計画のためのアセスメントの活用
知的障害
第2節 自閉症スペクトラム障害(ASD)の支援計画のためのアセスメントの活用
自閉症スペクトラム障害(ASD)
第3節 よく見られる併存障害の支援計画のためのアセスメントの活用
注意欠如・多動性障害(ADHD),学習障害(LD),発達性協調運動障害
(DCD)
●第 5 章 発達障害のアセスメント事例
事例 1 乳幼児の健診がきっかけで医療に来談したASD/事例 2 乳幼児健診から療育機関につながったASD以外の発達障害のケース/事例 3 乳幼児期における知的障害児のケース/事例 4 就学前健診が絡んだ発達障害児のケース/事例 5 就学前健診が絡んだ発達障害児のケース/事例 6 学童期の自閉症スペクトラム障害のアセスメント/事例 7 不登校・行動上の問題を抱える学童期のケース/事例 8 不器用がある発達障害児へのアセスメントに基づく支援/事例 9 青年期・成人期の発達障害者のケース/事例 10 強度行動障害が絡んだケース
●第 6 章 アセスメントの展望
第1節 発達障害の精神医学的診断学とバイオマーカーの展望
ASDの精神医学的診断/自閉症のバイオマーカー/発達障害をめぐる近年の状況に関する調査/ADHDのバイオマーカー/発達障害の精神医学的診断学とバイオマーカーの総括
第2節 発達障害児者のアセスメントツールを効果的に用いるためには
あとがき
辻井 正次[ツジイ マサツグ]
監修
明翫 光宜[ミョウガン ミツノリ]
編集
目次
第1章 発達障害児者の心理アセスメントの現状と有効な活用の仕方
第2章 発達障害領域でよく使用されるアセスメントツール
第3章 アセスメントツールの活用の仕方―発達障害の発見、診断のためのアセスメント
第4章 支援計画のためのアセスメントの活用
第5章 発達障害のアセスメント事例
第6章 アセスメントの展望
著者等紹介
辻井正次[ツジイマサツグ]
中京大学現代社会学部教授、浜松医科大学子どものこころの発達研究センター客員教授、NPO法人アスペ・エルデの会のCEO・統括ディレクター。日本小児精神神経学会理事、日本乳幼児医学心理学会評議員、日本発達障害学会評議員。1992年に発達障害児者のための生涯発達支援システム「アスペ・エルデの会」を設立。発達障害者の発達支援システムや発達支援技法の開発、専門家養成などに取り組んでいる
明翫光宜[ミョウガンミツノリ]
中京大学心理学部講師。中京大学大学院心理学研究科博士後期課程臨床・発達心理学専攻中途退学。博士(心理学)(中京大学)。中京大学心理学部助手、東海学院大学人間関係学部講師、東海学園大学人文学部助教を経て現職。NPO法人「アスペ・エルデの会」にて発達支援について学び、現在ディレクターとして発達障害児者の発達支援と研究に取り組んでいる
松本かおり[マツモトカオリ]
浜松医科大学児童青年期精神医学講座特任助教。浜松医科大学大学院医学系研究科高次機能医学専攻博士課程修了(医学博士)。浜松医科大学子どものこころの発達研究センターにて、Hamamatsu Birth Cohort(HBC)Studyを立ち上げ、5年にわたる運営管理を経て現職。被災地支援の一環として福島県の就学前児童・小中高校生とその家族、学校・福祉現場などを対象に包括的なカウンセリングとコンサルテーション業務を行っている
染木史緒[ソメキフミオ]
Assistant Professor.College of Staten Island,City University of NewYork。東京学芸大学大学院教育学研究科教育臨床専攻修士課程修了、ミネソタ大学大学院教育心理学部特別支援教育学専攻博士課程修了。学術博士(教育心理学)。ミネソタ大学大学院教育心理学部講師、浜松医科大学子どものこころの発達研究センター特任助教を経て現職
伊藤大幸[イトウヒロユキ]
浜松医科大学子どものこころの発達研究センター特任助教。名古屋大学大学院教育発達科学研究科心理発達科学専攻博士後期課程短縮修了。博士(心理学)。日本学術振興会特別研究員PDを経て現職。認知心理学を主たる専門とし、心理測定学、発達心理学、社会心理学、神経画像法など、広く心理学全般の研究に取り組んでいる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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