出版社内容情報
概念が独り歩きしておりエビデンスからの逸脱も散見されるHSP。その現状の問題点を整理し理解を深めるための1冊。
【目次】
はじめに
第1章 HSPにまつわる誤解をひも解く
第2章 研究にもとづくHSPの考え方
第3章 HSPは良くも悪くも影響を受けやすい
第4章 HSPにまつわる研究知見
第5章 環境を改善するためのヒント
おわりに
目次
はじめに
第1章 HSPにまつわる誤解をひも解く
第2章 研究にもとづくHSPの考え方
第3章 HSPは良くも悪くも影響を受けやすい
第4章 HSPにまつわる研究知見
第5章 環境を改善するためのヒント
著者等紹介
飯村周平[イイムラシュウヘイ]
1991年生まれ。茨城県出身。2019年、中央大学大学院博士後期課程修了。博士(心理学)。日本学術振興会特別研究員PD(東京大学)を経て、2022年より創価大学教育学部専任講師。専門は発達心理学。研究テーマは、思春期・青年期の環境感受性。心理学者によるHSP情報サイト「Japan Sensitivity Research」企画・運営者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ロクシェ
21
評価【◎】発達心理学の専門家による、学術的なHSP(Highly Sensitive Person)の定義を解説している本。HSPとは「環境感受性」がとても高い人たちを表す言葉。環境感受性とは、ポジティブとネガティブ両方の環境から「良くも悪くも」影響の受けやすさを表す特性である。HSPは「生きづらい人」に貼るためのラベルではない。「HSP(繊細さん)」と「非HSP(非繊細さん)」のように二分できるものではなく、あくまでもグラデーション。HSPの人は環境さえ整えればむしろ感受性が低い人よりも生きやすくなる。2023/03/24
スリカータ
17
web上の診断チャートで自分はHSP率90%と判定された。以来、HSP関連本を色々と読んで方が、「繊細さん」や「かくれ繊細さん」という呼び名にゾワッと鳥肌が立ち、違和感を感じていた。本書はHSPを正しく理解するには最適な本である。私が行った診断も信憑性が薄く、日本人と外国人とでは診断に用いる質問も異なるとの事。そして、「生きづらさ」という言葉。私自身は「生きづらさ」は感じないが、どうしても生きづらいと感じる人に対しての原因と対策も明記している。ひとり歩きしたHSPに対して正しい認識が広まるだろう。2022/12/13
ひろか
13
きちんとしたHSP本です。2022/11/26
きゅー
9
本書は、科学的根拠をもってHSPを説明しようとする一冊だ。世間ではHSPのことを「繊細さん」などと心の傷つきやすさを前面に押し出し、一部のカウンセラーなどは時流の商材として利用しているきらいがある。著者はこうした傾向を批判し、HSPのことを「環境感受性のとても高い人である」と定義する。つまりHSP傾向のある人は、環境的な因子を良くも悪くも受け取りやすい人を指すという。環境が悪ければ人よりもストレスを溜める、逆に環境が良ければ人よりも能力を発揮できるという。2023/05/02
Eri
6
「繊細さん」という言葉に違和感と座り心地の悪さを感じていたので、とても勉強になる本だった。 S(sensitive)がH(highly)なだけで(「だけ」というと、また誤解をまねきそうですが)、つまりは、感じとることが多くなりがちだということ。悪い環境にも左右されるけれど、よい環境に身を置けば、よりよくなれる可能性もある。 まあ、今の世の中生きづらいですから、それを【HSP】のせいにしてしまえば、気持ち的には楽になれますよね。2023/01/20