感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
gtn
23
幼子から7歳まで狼に育てられ、その後孤児院で育ち、17歳で逝った少女の観察記。物心がつくまでの習慣は簡単には取れないが、ゆっくりと人間生活に馴染んでいく。感慨深いのは、母狼が弓矢で射殺され、"救出"された後も、その子に人間に対する”警戒心”は続いたものの、”復讐心”はなかったこと。戦争とは、人間固有のもの。2024/10/31
みさどん
14
冒頭に写真があってビックリ。成長と環境の兼ね合いというこの事例は学んでいたけど、一冊まるまる読んだことがなくて、これは非常に興味深かった。事実は小説よりも奇なり、雌狼が拐っていって育てるのだから。シング夫妻の献身的な保護、カマラの短い人生の中での劇的変化の数々と、感慨深い。心理学的に幼児期体験がいかに大切なものか改めて突きつけられるよう。現代社会で人を殺してみたいという若者がでてきたけれど、どう育つとそうなってしまうのだろう。2015/12/31
イバドラ
2
オオカミに育てられた人間の子アマラとカマラの話。一応実話ということで話は進んで行くのだが、作り話との説が濃厚。話としては保護施設での養母が毎日マッサージしたり、相談に乗ったりすることで人間社会に順応して行く様子がリアルで、獣と人間の境界を垣間見れた。
Maho Abiko
1
人間の遺伝的因子が持つ成長へのポテンシャリーを感じた。環境と遺伝の相互補完関係から人間の成長を考えられる本だった。2012/07/31
ひつじ
0
アマラとカマラの話。二人は姉妹で歳も近いのかと思ってたら結構歳違ったし、血は繋がってなくて狼が二人を姉妹のように育てただけだったしアマラ割と初期に亡くなってしまうという。訳者はカマラのこと考えると自然に還れるらしいけどそういう視点なのかとちょっと驚き。2015/08/24