感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
山がち
0
正直難解で、要旨をつかむことができなかった。七五調は民衆に普及し、それをエリートが苦々しく見ていたなどというのは考え難い。しかし、短歌の腰の句の柔軟性から、五七調や七五調に揺れうること、等時拍の単調さを避けるために生まれた強弱と間、歌論書の『長短抄』の同じ母音の響き合いのような音の続き具合に目を向けるような姿勢、江戸時代における仮名詩で母音による押韻の試み、明治期における子音をも視野にいた押韻など興味深いものが紹介されていた。もう少し理論的なところをかみ砕いてほしかったが、現代詩の分析もとても面白かった。2013/12/18