どこかの遠い友に―船城稔美詩集

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どこかの遠い友に―船城稔美詩集

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  • サイズ 46判/ページ数 264p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784760156344
  • NDC分類 911.56
  • Cコード C0092

出版社内容情報

私の顔はたつた一つだ
君の顔もたつた一つ
だが 同じ希い
同じ怒りに身をふるわす
(「どこかの遠い友に」より)

全国8つのハンセン病療養所入所者73名による合同詩集『いのちの芽』(1953年)が70年ぶりに復刊され、岩波文庫に入ったことで話題を呼んだのは、2024年夏のことだった。そこには、船城稔美(1923-2003年)の詩も5篇収められている。

船城は15歳で入所してすぐ、大人たちにまじって園内誌に詩を書き始めた。79歳で亡くなる前年まで、書き続けた。生前、その詩が世間的な注目を集めることはほとんどなかった。

2023年、国立ハンセン病資料館企画展「ハンセン病文学の新生面――『いのちの芽』の詩人たち』が開催され、船城にかんする重要な(永らく見落とされてきた)事実が指摘された。それは船城が、性的マイノリティだったのではないか、というものだった。

僕は
自分の座席を
さがすのだが
決してみつかつた
ためしがない

仕方がないので
どこにでも おずおず
すわるのだが
すわりごごちが
よかつたことはないのです
(「棘のある風景」より)

ハンセン病患者というマイノリティ集団の中を、性的少数者として生きた詩人。男女二元論や異性愛規範にとらわれない詩を書き、自らの生/性を諦めず、世界とのつながりを、愛と連帯の可能性を、最後まで見失わなかった詩人。

「隔離」という差別的な環境により埋もれ、戦後詩史にその名を刻まれることのなかったその才能に今、はじめてスポットライトが当たろうとしている。

私は 下を向いて
歩くことに
あきあきした
(略)
私は昂然と
頭を上げよう
そして
時雨の冷たさを
額で受けよう。
(「対決」より)

本書は、現在確認されている286編に及ぶ作品群から70編を精選した、初めて公刊される作品集である。世界の片隅でつむがれた言葉を、今を生きるあなたにつなぎたい。

■編者・木村哲也「解説」より
“本書に収録した詩作品は、ハンセン病療養所に隔離された経験がない私にも、そしてどのような性的指向をもつ者であろうと、秩序への違和感を自覚して生きているだれもが共感しうる普遍性をあわせもっている。性の越境者として生き抜いた船城の作品は、時代を超えて読み手を鼓舞するだろう。”


【目次】

内容説明

本書に収録した詩作品は、ハンセン病療養所に隔離された経験がない私にも、そしてどのような性的指向をもつ者であろうと、秩序への違和感を自覚して生きているだれもが共感しうる普遍性をあわせもっている。性の越境者として生き抜いた船城の作品は、時代を超えて読み手を鼓舞するだろう。(「解説」より)

目次

想ひ
別れた人
雪の夜
五月
ウイッチが私を迎ひにくる

別れの詩
子供たち
幻想雛祭り

冬の夜
夜の哀愁
無精卵
棘のある風景
堆積
六月に
陥穽
対決
私の祖国は蜂の巣のように
死への讃歌〔ほか〕

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

埼京東湖

5
ハンセン病療養所で性的少数者として生きた詩人・船城稔美の珠玉の詩集。過去の誤った政策によって長年隔離された船城だが、詩の世界ではその壁は取っ払われていた。源氏物語や与謝野晶子を彷彿とさせる官能的な表現。そして性別、ハンセン病・非ハンセン病、国籍、人種の壁も船城の詩は乗り越えた。映画「国宝」が話題だが、船城は女型の歌舞伎役者もやっていた多彩な人物である。そんな船城の名を知っている者はほとんどいないが、多様性の時代、差別主義が跋扈している世の中において知られるべき人物であろう。ぜひ多くの人に読んで欲しい。2025/08/03

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