デオナール アジア最大最古のごみ山―くず拾いたちの愛と哀しみの物語

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デオナール アジア最大最古のごみ山―くず拾いたちの愛と哀しみの物語

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  • サイズ 46判/ページ数 384p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784760155309
  • NDC分類 936
  • Cコード C0098

出版社内容情報

インドに関する本を一冊読むなら、この本を読んでほしい。
――ギーター・アーナンド(ピューリッツァー賞作家)

2013年夏、ムンバイでマイクロファイナンスを扱うNPOを運営する著者は、融資を求めてやってくるある人々の存在に気づく。市街地の端にあるデオナールごみ集積場でお金になるごみを集め、それを売ることでその日暮らしをするくず拾いたちだ。

絶えず欲望を追いかけてモノで心を満たそうとする現代生活の産物でもあるそのごみ山は、20階建てのビルほどの高さになる。腐った食べ物、古い端切れ、割れたガラス、ねじ曲がった金属、ときには赤子の死体、花嫁の遺骸、医療廃棄物など、あらゆる夢の残骸がそこに行きつく。誰の目にも見えるところにありながら、誰の目にも見えていない広大なごみの町。著者と住民との8年以上にわたる長いつきあいが始まる。

ごみ山が放つ有害な後光(自然発生する火災、都市の上空を覆う有毒ガス等)が目に見えるかたちをとり、無視できなくなるにつれて、市当局による管理の動きも露骨になっていく。その影響を受けるのは当然、そこで生きる人々だ(そもそもこの地区の起源は19世紀末、植民地時代の感染症対策にある)。これまで以上に足場が脆くなるなかで、ある四家族の生活を著者は追い続けた。とりわけ注目したのが、10代の少女ファルザーナー・アリ・シェイクだ。彼女はごみ山で生まれ、そこで愛を知り、子をもうける。悲劇的な事故にまきこまれながらも。

彼女らの目を通して、最も荒涼とし腐臭に満ちた場所であっても、美や希望、愛が花開くことを私たちは知ることになる。同時に、グローバル資本主義が最も脆弱な立場にいる人々にどのような影響を与えるのかも知るだろう。

〈いまや彼らは、目に見える世界に戻るために闘っていた。その姿を見せるために闘っていた。姿を見せる相手とは、すぐそばにいた彼らを避けてきた人々、くず拾いをひき殺す事故に責任を負うべき人々である〉

著者は記す。この地で生まれる物語がまるで非現実的な気がしたとしても、その大半は現実である。そしてそれはごみ山で暮らす人々の物語であると同時に、どこにでもある物語なのだと。

行き場のない核のごみ、不法投棄や環境汚染、連鎖する貧困、新生児遺棄、メガイベントの裏で排除されるホームレス……。日本で起きていることと、ふと重なる瞬間が訪れるはずだ。不思議な既視感を覚える、寓話的ノンフィクション。

内容説明

どれだけ非現実的に思えても、この物語は現実である。不法投棄、火災、依存症、ギャングの抗争、当局の排除政策…。廃棄物とともに生まれ育った少女・ファルザーナーの目に映るのは、私たちが生み出す「この世界」のゆがみそのもの。

目次

ファルザーナー
最初の住民
子どもたち
管理不能

ギャング
不運
火災
裁判
立入禁止

シャイターン
十八歳
闇ビジネス
理想
惨事
ナディーム
約束
カネ
選挙〔ほか〕

著者等紹介

ロイ,ソーミャ[ロイ,ソーミャ] [Roy,Saumya]
ムンバイを拠点とするジャーナリストで活動家。2010年、ムンバイの最も貧しい零細企業家の生活を支援するヴァンダナ財団を共同設立し、デオナールに依存するコミュニティに出会う。『フォーブス・インディア』『ウォール・ストリート・ジャーナル』『ブルームバーグ』などに寄稿。アジア最大のスラム街に関するエッセイ集Dharavi:The Cities Within(HarperCollins,2013)にも原稿を寄せている

山田美明[ヤマダヨシアキ]
英語・フランス語翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

つちのこ

36
かつて読んだ、フィリピンのゴミ捨て場で暮らす子供たちの写真集、藤巻由夫著『ゴミの山はぼくらの天国』には衝撃を受けたが、救われたのは、そんな劣悪な環境のなかでカメラが捉えた輝くような笑顔と純粋な瞳を向ける子供たちの表情。その理由が路上生活をしている人々に比べれば自分たちは幸せだということだった。本書は100年の歴史と東京ドーム30個分もあるアジア最大のゴミ捨て場デオナールに暮らす一族のルポであるが、とても幸せとは言い難い。満足な教育を受けることなく幼いころからゴミ拾いをする9人兄弟姉妹。ゴミ山に捨てられた⇒2023/12/10

AR読書記録

5
インド、最近はいわゆる"グローバルサウスの盟主"とかボリウッドとか、勢いのある文脈で聞くことが多く、環境汚染とか格差とかの問題にしても、『パッドマン』(これは観た)とか『燃えあがる女性記者たち』(これは観てない)などからはそれを乗り越えようとするパワーの大きさも感じる、なんて思っていたけれど、やっぱり、未だ解決に程遠いこうした現実があるわけです。いっそごみ山でお宝発見・一発大逆転の話ならば、『スラムドッグ$ミリオネア』ふうの物語に昇華(?)できそうなものだけれど、我々も受け止めるべき圧倒的現実はこちら。2023/10/24

田中峰和

4
人口2200万人を超える巨大都市ムンバイ。一人当たりGDPが少ない分、先進国に比べれ一人当たりのごみの量は少ないが、インド最大の都市ではごみの排出量が社会問題となる。ムンバイのごみ問題の深刻さがアジア最大最古のデオナールのごみ山からレポートされる。9人兄弟の4女ファルハーザーは貧しい生活のなか、ごみ拾いをしながら健気に生きる少女。他の貧しい国同様、ここでも子供は労働力として教育も受けず働かされる。彼らにとってごみは生活の糧となるが、近隣住民にとっては悪臭や病原菌の温床となる。訴訟は長引くが、改善するのか。2023/11/14

路人

2
インド・ムンバイのゴミ捨て場デオナール。ここからさほど遠くないところに住んでだことがあったが、ここに気づかなかったのはうかつだった。この本ではゴミ捨て場の住人がていねいに描かれいる。運命に左右されながら、たくましさも持ち合わせている人々。彼らが身近に見えてくる。デオナールを巡る司法・行政の動きもドキュメンタリーの効果を出している。良書だと感じた。2023/10/31

らすた

1
ケガをすればゴミ山の住人でも(もちろんお金を出せばでしょうが)診察してくれることと、家族愛の強さはむしろ日本人より強いものがあることに驚かされました。2023/10/24

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