内容説明
異形の饗宴。世にも奇怪な愛憎劇の真相とは?絢燗たる犯罪模様、全8篇!金田一耕助と並ぶ、もう一人の名探偵シリーズ!
著者等紹介
横溝正史[ヨコミゾセイシ]
1902(明治35)年生まれ、1981(昭和56)年没。大正期より執筆活動を始め、伝説の雑誌「新青年」編集長として江戸川乱歩に名作『陰獣』を発表させるなど編集者としても活躍。戦後まもなく『本陣殺人事件』『蝶々殺人事件』という傑作長篇を発表、前者で第1回探偵作家クラブ賞(現・日本推理作家協会賞)を受賞する。以後、名探偵・金田一耕助を主人公とする名作群で、探偵小説界の第一人者としての地位を不動のものに。70年代の角川文庫によるリバイバルと金田一シリーズの映画化によって大ブームとなり、最晩年にも大作『悪霊島』を発表、生涯現役を貫いた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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HANA
71
横溝正史の金田一耕助以前の名探偵が活躍するシリーズ二巻。本書では表題作を始め追われる美少年、囚われの美少女、暗躍する怪人に謎めいた殺人事件と巨匠の持ち味である草双紙趣味が目一杯に詰め込まれている。どこを取ってもどの頁を開いてもまさに目くるめくロマンティシズムに溢れた作品ばかりである。あと思ったんだけど、こういうロマンティシズム溢れた小道具が横溢している本邦の草双紙って、泰西のゴシック小説に勝るとも劣らないんじゃないだろうか。推理小説ではない活劇が満ち満ちた探偵小説、存分に楽しませてもらいました。2020/05/01
keroppi
61
白髪の探偵・由利先生と新聞記者・三津木俊助が活躍するシリーズ第2弾。震いつきたくなるような美女や輝くばかりの美少年や今の時代では表現もはばかる不具者たちが、芝居掛かった殺人事件に巻き込まれ、謎が謎を呼ぶ。上下2段組の500ページ弱にたっぷり詰まった懐かしきミステリ。堪能した。2019/05/08
花乃雪音
15
由利先生、三津木記者全集の第2巻。表題作『夜光虫』他計8篇収録、今巻では推理小説というより探偵小説の印象が強い。雑誌連載の作品群のため、引きがいくつも盛り込まれいて頁をめくってしまう。表題作『夜光虫』は冒険活劇の趣がより強く、読んでいると子どもの頃に江戸川乱歩の少年探偵団を読んだ興奮を思い返させてくれる作品だった。2020/05/29
まさ☆( ^ω^ )♬
9
第2弾も面白かった!8篇の中・短編、それぞれ金田一シリーズにも負けず劣らず面白い。時代背景もあるのだろうが、警察は全然当てにならず、由利先生も三津木君もちょっと行動が軽率w 特に三津木君、腕っぷしがてんで弱く、のされるシーンが多い印象。愛すべきキャラではあるんだけどね。2021/04/14
麻友
5
図書館で借りて読了。ドラマ見た後に読み始めた由利麟太郎シリーズ2冊目。1作だけ(薔薇と鬱金香)だけ前に読んだ話だったので飛ばしました。どの話も耽美な感じがしつつ、物悲しい雰囲気が漂う横溝作品らしい話ばかり。また機会を見つけつつ由利麟太郎シリーズを読んでいくつもりです。2020/08/22