内容説明
恋愛、政治、芸術、弁論、そして神…知らないではすまされない、人生の必須教養!人類の考え方を決定づけた「最重要哲学」アリストテレスの思想がストーリー仕立てでサラリとわかる超フィクション。
目次
第1章 合コンでモテたい!―『ニコマコス倫理学』
第2章 スピーチをうまくやりたい!―『弁論術』
第3章 政治がうまくいかない!―『政治学』
第4章 泣ける小説が書きたい!―『詩学』
第5章 二日酔いをなおしたい!―『問題集』
第6章 まったくいったいなんなんだ!―『形而上学』
著者等紹介
高橋健太郎[タカハシケンタロウ]
作家。横浜生まれ。古典や名著を題材にとり、独自の視点で執筆・研究活動を続ける。特に弁論術・謀略・哲学がテーマ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
出世八五郎
15
内扉に“アリストテレス入門”とあるが、ニコマコス倫理学、弁論術、政治学、詩学、問題集、形而上学をそれぞれの章の主題として小説形式にした連作短編集。アリストテレスにより神の存在が証明されているとあり、運動をするモノには原因があり、遡るとビッグバンになるのだろうが、ではそのビッグバンは誰が起したかという原因を知りたくなる。これを不動の動者と呼ぶ。これが神らしい。動かされずに動かすもの。パンは空腹なものを引き寄せるが、パン自体は何の運動も行なってはいないように。最高の理性的思惟が最高の理性的思惟を思惟している。2018/05/29
木麻黄
2
プラトンは読めてもアリストテレスで挫折する人は多いはず。プラトンが,倫理的で,生活に根差した考察が多いのに対し,アリストテレスは,哲学的で,物事の根本原理に光を当てた考察がより多いからではないでしょうか。しかし,万学の祖たるアリストテレスを差し置いて,哲学はなく,読書はなく,思索もないようにも思え,避けては通れない壁として,ここ数年私自身の前に立ちはだかり続けています。このちょっとふざけたタイトルのように,中身はだいぶポップに編集されていますが,エッセンスを見事に切り取った初学者向けの良書だと思います。2023/09/10
ちまき
2
書き口こそ平易なものの、アリストテレスのエッセンスを取り出しながら読ませてくれた気がする。とにかく守備範囲の広いアリストテレス、愛、正義、弁論、著述、形而上学等々、その考え方を概観し、アリストテレスの入り口とするには非常に手頃な本だったと思う。文章のテンポも良くて、読んでて楽しかった。2020/07/11
xuxu
2
物語仕立てのアリストテレス入門書。プラトンにある程度親しんだら、弟子のアリストテレスが気になりだした。でも師に比べると取っつきにくい。タイトルからして難解そうだし、厚みもかなりある。そこでまず手に取ったのが本書。アリストテレスが現代日本に蘇り、悩める男女を救うという設定。各章に主人公を据え、それぞれの悩みに即して作品を一つずつ紹介。物語を読むだけで、アリストテレスの主要作品6つを概観できる作り。良くできている。俄然アリストテレスを読みたくなった。師とは違う個性。特に『政治学』には惹きつけられた。 2019/05/29
鵜殿篤
2
【要約】アリストテレスが現代日本に甦ったら、一人の眼鏡っ娘が幸福になった! 【感想】とても良かった。感動した。なによりも良かったのは、眼鏡っ娘が幸福になったことだ。本当に良かった。眼鏡っ娘が獲得したのが正真正銘の紛れもない「本物の幸福」であることは、私の主観などではなく、本書が客観的に証明してくれるのだ。こんな構成の本、他にない。猛烈に感動した。2018/08/07