内容説明
怪奇な殺人予告!隠された驚愕の真相とは?
著者等紹介
横溝正史[ヨコミゾセイシ]
1902(明治35)年生まれ、1981(昭和56)年没。大正期より執筆活動を始め、伝説の雑誌「新青年」編集長として江戸川乱歩に名作『陰獣』を発表させるなど編集者としても活躍。戦後まもなく『本陣殺人事件』『蝶々殺人事件』という傑作長篇を発表、前者で第1回探偵作家クラブ賞(現・日本推理作家協会賞)を受賞する。以後『八つ墓村』『犬神家の一族』など名探偵・金田一耕助を主人公とする名作群で、探偵小説界の第一人者としての地位を不動のものに(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
HANA
56
著者の非名探偵作品を収録したシリーズ五冊目。本書では主に戦前の作品が収められており、そのためかキネマ等のモダンなものを題材にした作品が多い。同時に戦後の論理で構築された本格物とは違い冒険小説の片鱗を覗かせる作品も数多く、当時の探偵小説の空気を随所に感じられる部分も。表題作は特にそれが顕著でスリラーとしては一級品だけど、探偵役特にいらないような…。著者後期を代表する「女王蜂」と同題の作品もあるが、読み比べるとやはりそれを感じて驚かされる。戦後の本格が好きだけど、これはこれで時代の空気が感じられて面白いが。2019/09/28
keroppi
55
この巻には、女優や監督等、映画関係を題材としたものがいくつかある。書かれた当時、きらびやかな銀幕、華やかなキネマの時代だったのだろう。巻末のエッセイでは、横溝さん自身が夢中になった映画のことや、金田一シリーズと西部劇について書かれていて興味深い。横溝ブームのきっかけも、角川映画だったし、何かと映画と縁のある作家だったのだなと思った。2018/06/28
ぐうぐう
23
『横溝正史ミステリ短篇コレクション』第5巻は昭和初期に発表された作品が収録されている。「芙蓉屋敷の秘密」は長篇と言ってもいい長さのミステリだが、連載時には犯人当ての懸賞企画として発表されている。横溝の初期作品には、犯人当ての趣向のものがいくつか見られるが、これはまだ日本の推理小説が成熟していない時代だったことを逆に告げてもいるのだ。つまりそれは、クイズ的、パズル的な楽しさの範疇に推理小説が収まっていたことを意味している。とはいえ、そんな範疇の中でも、横溝の作品はこだわりを感じさせはする。(つづく)2018/06/20
まさ☆( ^ω^ )♬
11
横溝正史ミステリ短篇コレクションも第5弾まで来てしまいました。ちょっとずつ読んでますが、読み終えてしまうのが勿体無いと思うくらい楽しんでます。色々とツッコミどころもありますが、昭和2年〜7年にかけての発表作品という事で、こんな昔の作品が今でも面白く読めるってのは凄い事だと思います。さて、いよいよ次の第6弾で最終巻。ジックリ味わって読みたいと思います。2021/08/15
山猫
8
表紙が際どいが、かなりえげつない作品が増えた時期にさしかかってきていたことを思い合わせると、とても偶然とは思えず………2018/11/11