犬将軍―綱吉は名君か暴君か

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  • サイズ A5判/ページ数 558p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784760144921
  • NDC分類 289.1
  • Cコード C1021

内容説明

捏造された史料、誤った評価によって貶められ続けた綱吉。幼少期から亡くなるまでの生涯を、ケンペル研究の第一人者が独自の視点から描く等身大の綱吉像が明らかとなる!大地震と富士山大噴火からの復興、赤穂事件の裁き、初の貨幣改鋳、生類憐みの令の施行、儒教と仏教の振興、側用人の重用…、綱吉は如何にして幕府の政治を、経済を立て直そうとしたのか?

目次

親から譲り受けたもの
養育係が男性でなくてはならなかった時
館林城主
儒教政体
偉大で優れた君主
将軍一年目
第8章 堀田正俊の台頭と没落
将軍の新しい家臣たち
生類憐みの令
犬公方
四十七人の義士
財政問題
貨幣生産
車の両輪
荻生徂徠の「徒弟期間」
晩年
遺産

著者等紹介

ボダルト=ベイリー,ベアトリス・M.[ボダルトベイリー,ベアトリスM.] [Bodart‐Bailey,Beatrice M.]
ドイツ・シュヴェーリン市に生まれる。オーストラリア国立大学MA(修士)、PhD(博士)。オタワ大学客員教授、オーストラリア国立大学Research Fellow、東京大学社会科学研究所客員研究員、国際日本文化研究センター客員助教授、トロント大学客員教授、神戸大学経済学部教授を経て、大妻女子大学比較文化部教授

早川朝子[ハヤカワアサコ]
国際基督教大学大学院比較文化研究科博士課程修了。博士(学術)。現在、東都医療大学非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

takao

3
ふむ2024/01/17

たろーたん

2
愚帝とされる徳川綱吉を再評価するオーストラリアの大学の教授の博論。筆者は、彼は武力や金銭を用いることなく、武士としての振る舞い方に新たな規範を植え付けることに成功した、と指摘している。綱吉の話でよく出されるのが母親・桂昌院との結びつきである。これを否定的に見る者もいるが、母親が庶民の娘だったからこそ、遺伝的性質においても、人格形成期の経験においても、将軍家とはかけ離れ、慈悲深い政策が打てたことにつながる。(続)2023/04/20

wuhujiang

2
スケールの大きい素晴らしい研究。綱吉の個人のみならずその周辺、前後の将軍にまでわたる幅広い視野。加えて、歴史学でない他分野の研究成果を利用すること、海外の学者による研究成果を積極的に引用している点はなかなか見られない。一方で、忠長の死と綱吉の教育方針を安易に結び付けている点など疑問符が付く。これまでの悪評を覆すためとはいえ、全面的に綱吉賞賛になっている点は気にかかる。他の研究も読まなければと感じた。2022/10/26

(ま)

1
思い込みが覆っていく面白さ。 名君ではないと思うがパラダイムの変革者だと思う・2018/04/21

kucucu

0
500ページ以上、厚さ4センチ、さすがに一気読みとは行かず隙間時間にちまちまと3週間かけて読了。 前々から元禄の本を色々読んできて、悪政ならそんなに栄えないよね?と思っていたのでこの本でようやく腑に落ちた。2017/09/10

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