内容説明
トルーマン・カポーティの幼なじみにして、ピュリッツァー賞作家、ハーパー・リー。生涯に書いたのは、この一作のみ。なぜ、彼女はこれ以降作品を書かなかったのか…カポーティ『冷血』の誕生秘話を含む、初の本格評伝。
目次
第1章 成功するチャンス
第2章 子ども時代
第3章 “女らしさ”に欠けて
第4章 学内新聞とユーモア雑誌
第5章 初めての小説
第6章 “NLのメモを参照”
第7章 『アラバマ物語』、刊行
第8章 まあ、ペックさん!
第9章 二作目の小説
第10章 静かなとき
著者等紹介
シールズ,チャールズ・J.[シールズ,チャールズJ.] [Shields,Charles J.]
1951年、アメリカ・ペンシルヴェニア州生まれ、イリノイで育つ。高校の教師を経て、伝記作家に(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kaoru
73
『アラバマ物語』の作者ハーパー・リーの人生を幼少時から丹念に描いた評伝。アティカスのモデルである弁護士の父コーリーや神経症を患った母フランシスなどの家族、幼馴染のカポーティとの友情や『冷血』の取材旅行、『アラバマ物語』のピュリッツアー賞受賞と映画化などリーの生涯の際立った事柄を網羅している。次の作品を期待されながら世に出すことが出来ず伝説的存在となった彼女だが、華々しいセレブの人生を送ったカポーティと比べどちらが幸せだったのだろうか。モンローヴィルで友人や姉とともに静かな余生を過ごしたリーは、アメリカの→2022/10/03
ロピケ
9
この一作と思えるものを書けたらそれで十分ではないかと思う一方、作家としてデビューしてしまった以上、次の作品を期待されるプレッシャーを受ける続ける状況も当然理解できる。また、カポーティの姿も対置され奥行きが増している。『アラバマ物語』。良い作品という評判は知っていたけれど、そこまで人気があったとは…。いつか読んでみたいと思いました。母親の愛情を得られなかった子ども時代の影響は一生涯続く場合もあって、人生を丸ごと破壊してしまうこともありうるのだなあ…と改めて。それと、グレゴリー・ペックの印象が深くなりました。2014/03/26
Mana
5
アラバマ物語の作者の伝記。とても良かったです。本人はメディア嫌いだから取材は出来なかったけど、周囲の人への丹念な取材から見事にその姿を浮かび上がらせている。本書は金原瑞人さんの「サリンジャーにマティーニを教わった」の紹介で知りました。第一作目のアラバマ物語で大成功してしまったため、その後作品をかけなくなってしまったハーパー・リーですが、最近新作を出したそうなのでそれも気になります。2016/06/27