内容説明
戦前日本の期待のニューメディアは、なぜ歴史の辺境へと追いやられ、やがて忘れ去られたのか?満洲映画協会設立の陰の功労者でもある大阪毎日新聞社活動写真班・水野新幸の活動を軸に、満洲から東映、そしてスタジオジブリへの系譜を明らかにする、壮大な20世紀メディア史。
目次
序章 「電子書籍元年」の既視感
第1章 第一次世界大戦と「次に来るメディア」の台頭(一九一一~一九二七)
第2章 活字から活映へ(一九二八~一九三三)
第3章 論文の映画化とコミュニケーション革命(一九二八~一九三三)
第4章 紀元二六〇〇年前後のメディア文化政策(一九三三~一九四五)
第5章 映画がつくった実験国家「満洲」(一九二五~一九四五)
第6章 戦後視聴覚教育史における「満洲」人脈(一九四五~一九五八)
終章 バックトゥザフューチャー
著者等紹介
赤上裕幸[アカガミヒロユキ]
1982年、埼玉県生まれ。2006年、上智大学文学部新聞学科卒業。2011年、京都大学大学院教育学研究科教育科学専攻博士後期課程修了(教育学博士)。大阪国際大学人間科学部専任講師を経て、防衛大学校公共政策学科専任講師。専攻はメディア論、映像文化論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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takao
2
ふむ2023/02/04
takao
2
ふむ2023/02/04
ぽん教授(非実在系)
2
映画、大衆、公共性、教育、新しいメディア、といったものが複雑に絡み合っている様子を描く。当時の最新メディアであった映画に賭けた夢は確かに現代に於いて多く実現されたと言える。2015/06/11
メルセ・ひすい
2
上智大新聞卒 教育学Dr.2011.03京都大学院教育研究科論文。日本映画教育史における「次に来るメディア」の知識社会学的研究。すべてを表現できる万能メディアとして、映像文化の普及につとめた「活映」運動。戦前に製作された満州映画とジブリの創設メンバーをつなぐ、忘れられた「活映」の系譜をたどるメディア論。2013/05/13
Yonowaaru
1
なかなkどうして、この本が目につ言ったのだろう。京都大学の博士課程の論文を再編集したものということで、内容は映画論且つ日本・満州における政治も多様に絡んでおり、興味はあっても事実上無知な私が読んで大分苦労することにはなったけれど、それでもやはり知的好奇心が買って歴史の隠れた一ページをみえた感じと、歴史や未来の見え方がちょっと変わったりする効果はありそうだ。「歴史の中の未来」というフレーズがかなりお気に入り。まさに、温故知新。過去との連続性。それを運ぶのはやはり、生きたメディアである人間だろう。2020/04/24