内容説明
犯行は、クリスマスイブの前夜に再開された。現場は、ベルリン郊外の精神病院。若く美しい精神科医が何者かに襲われ、サイコブレイカーの被害者に似た状態で発見されたのだ。その数週間前から、若い女性の精神だけを次々と破壊する事件が勃発、その犯人は“サイコブレイカー”と呼ばれ、住民に恐れられていた。猛吹雪で閉じ込められた職員と患者たち。彼らは団結して身を守ろうとするが、一人、また一人と姿を消していく―。しかし、この事件そのものが、実はある心理学実験のためのカルテに書かれた物語なのだ―。ノンストップ・サイコスリラー。
著者等紹介
フィツェック,セバスチャン[フィツェック,セバスチャン][Fitzek,Sebastian]
1971年生まれ、ベルリン在住。テレビ・ラジオ局のディレクター、放送作家として早くから活躍。2006年、処女作『治療島』が世界各国でベストセラーとなり、一躍有名に。続く『ラジオ・キラー』『前世療法』も評価が高く、ドイツ人には稀な、本格スリラー作家の地位を確立するに至る
赤根洋子[アカネヨウコ]
1958年生まれ。早稲田大学大学院修士課程(独文学)修了(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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うまる
34
フィツェックのサイコスリラー4作目。メインは閉じ込められた病院で、精神だけを破壊するサイコブレイカーと対決する話。閉鎖空間で一人一人減っていくというクロサー的な展開もすごく好きだし、病院での話はカルテの内容であるという作中作の作りも作品の雰囲気に合っていてとても面白かったです。 今作も先が気になる展開で読むのをやめられず寝不足に。寒い日の夜で時間が取れる時に読むのがオススメです。 カルテの部分だけページ数のカウントを変えていたり、本にメアドが書かれた付箋が付いていたり、本自体の仕掛けも良くできてます。 2020/12/11
あっちゃん
28
吹雪で閉ざされた精神病院で、記憶を失った主人公が、世間を騒がせている女性の精神を破壊するサイコブレイカーと対決する!そんなカルテと称された小説を渡されたバイトの被験者の大学生と意味あり気な教授、何もかも、信用出来ない作中作も、怪しい登場人物も、やっぱりフィツェック面白い( ̄▽ ̄)2020/04/29
reo
27
今回は謎々がサイコブレイカーの仕掛けた罠と相まって底なしの恐怖に読者を誘う。「入るときは入り口が1つ、出るときは出口が3つあるもの、何だ」答えは「Tシャツ」Tシャツを着ているのは記憶喪失患者のカスパルただ一人エッ。殺されたラスフェルトの口から出てきた紙片に書かれた文言「私を必要とするなら、私を投げ捨てて。私をもう必要としないなら、連れて帰って」ウーム分からんがな。後書きに柏書房のHP内「サイコブレイカー」を検索すれば答えがあると書いてあるので行った。あらへんがな。編集部に電話して答えを聞いた。ソーカ納得!2018/06/12
井戸端アンジェリか
22
はぁ、って感じ。なぜだかとても読みづらい+それほど犯人探しが気にならない+なぞなぞ?小学生かよっっっ。冒頭部分のエグさが100点満点だとすると、あとの話は引き算。ラストは御丁寧にガッツリ伏線回収してくれるし、もう少し読者に余韻を下さいな。なーんて、こんな感想こそが“文章を読ませるだけで催眠術をかけられるかどうか”に引っ掛かった証拠かしら。 ふーん、最後の答えは●●●でしょ、私なら多分大丈夫。2019/07/08
オーウェン
8
ベルリン郊外の精神病院で働く看護婦が襲われた。 その女性は精神を破壊されており、連続して女性を狙うことでサイコブレイカーと呼ばれるようになる。 構成として少し変わっており、教授が大学院生にカルテとしてある物語。 これが上記の説明となっており、つまりは大学院生と同じく読書として読んで解き明かししていく話。 被害者につけられたクイズだったり、フラッシュバックで明かされていく真実。 そこまで驚きではないが、最後に種明かしをしてくれる珍しいタイプのミステリ。2019/07/25