感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
徒花
300
ほのぼのしたイメージしかない平安時代の貴族たちが、じつは殴り合ったりリンチをしたり殺し殺されたりが日常茶飯事だったことを当時の文献から明らかにしていく一冊。コンセプトはめちゃくちゃおもしろいんだけど、事件が発生するまでの経緯を細かく説明しすぎているせいでけっこう読むが苦痛になったりする。とりわけ、問題の構造を分析しようとすると、天皇家や藤原家の血縁関係から説明しなければならないので仕方ない部分はあるんだろうが、もうしこし簡略に描けなかっただろうかと。2018/02/11
鯖
28
花を見ても、月を見ても、よよよと泣きくずれ、歌を詠むはずのなよなよとした平安貴族様の裏の顔を集めた本。従者を殴り殺したり、貴族を拉致監禁暴行したり。そりゃ武家だって、元は天皇や貴族の血をひいているのだし、源氏物語でもうんこ撒き散らすなど陰湿なシーンはたくさんあるのだし、結局は同じ人間だものなあと遠い目になる。ゴシップの塊のような花山法王の皇女が賊に襲われ、死骸を犬に喰われた記事が一番気の毒だった。ただ面白かったのだけれど、ゴシップ記事を並べただけの造りなので、もうちょっと考察か結論か何かが欲しかった。2016/03/21
なお
25
図書館本。優雅と思い込んでいた平安貴族たち。帝の前なのにマジギレで取っ組み合いしたり、拉致監禁したり、恐ろしい部分が浮き彫りに…人間的だったのだと妙に納得。2016/03/06
大阪のきんちゃん2
23
私の中では前作大河ドラマ「光る君へ」のマイブームが続いていて、その関連で見つけた図書館本。 藤原実資「小右記」や道長の「御堂関白記」その他古典からの引用に基づき、平安貴族社会の野卑・下品な一面をひたすら採り上げて本にしたもの。 娯楽本と割り切ればとても面白い!大体平安時代の高級官僚とも言うべき貴公子たちは道徳教育もろくに受けていない20歳前後のガキども(失礼!?)の集まりみたいなもんで、イジメや賭博、私闘、横取り、おねだり何でもござれだったのは想像に難くない。 よくぞここまで拾い出してくれました著者の方♪2025/04/01
ようはん
21
平安時代末期に平家が侮辱した藤原摂関家の公卿に暴力で報復した殿下乗合事件というのがあるけど、そういう暴力事件はそもそも藤原摂関家ら平安貴族のお家芸だったのがこの本を読んで分かった。2021/06/19