出版社内容情報
三大一神教4000年の歴史を1冊に凝縮。中東に源を発する三つの宗教は相互に激しい敵意を抱きつつも不思議なほどの類似点を持つ。人間にとって信仰とは何か,神は死んだのかを問う世界的ベストセラー。著者は修道女経験7年の宗教学者。
序論
1 太初に…
2 ひとりの神
3 異邦人への光
4 三位一体 キリスト教の神
5 統一 イスラームの神
6 哲学者の神
7 神秘主義者の神
8 改革者にとっての神
9 啓蒙主義
10 神の死?
11 神に未来はあるか?
用語解説
訳者あとがき
事項索引
人名索引
主な登場人物
原注
内容説明
世界宗教として、君臨するキリスト教とイスラーム。迫害と離散の歴史に彩られ、誰もが注目するユダヤ教。これら中東に源を発する宗教の変遷を「一神教」史として説き起こす英米のベストセラー。仏教、ヒンドゥー教、ギリシア・近代哲学を巧みに媒介しながら、真理の歴史性と唯一神の変遷を綴る。
目次
1 太初に…
2 ひとりの神
3 異邦人への光
4 三位一体 キリスト教の神
5 統一 イスラームの神
6 哲学者の神
7 神秘主義者の神
8 改革者にとっての神
9 啓蒙主義
10 神の死?
11 神に未来はあるか?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
紫羊
18
例えるなら、海図なしのオンボロ船で大海に漕ぎ出してしまったようなもので、ただ沈まないように祈りながら漂い続けた数ヶ月だった。一応読了はしたが、どこの港にも辿り着けていない。自分がどんな航海をしてきたかの記憶もない。こういう本こそ時間を惜しまずノートを取りながら読むべきなのかもしれない。手元に置いて定年後の宿題としたい。2024/12/16
スズコ(梵我一如、一なる生命)
9
Kindle化希望。感想は洋書版にて。2024/07/22
ヴィクトリー
4
書名の通りではあるが、神にも歴史があった、ということを教えてくれる。 一般的な宗教解説書だと現在の教義を説明するのみだが、それは固定されたものでは無く変化してきたものであった。また、唯一神教の中でのキリスト教、特にカトリックの特異性が分かったのも収穫であった。人格神としての性格の強かったこと。神秘主義的解釈がほとんど力を持たず、字義的解釈が強かったこと。原罪を強調し、肉体、性に対する抑圧的な考え方。これらが、ユダヤ、イスラムだけでなくギリシャ正教とも異なる事は、西欧の発展と関係があるかもしれず興味深い。2010/07/27
smatsu
3
ユダヤ教、キリスト教、イスラム教というヤハウェ一神教における神の概念の歴史を概観する本。著者は元カトリック修道女の経験を持つイギリスの作家で比較宗教学が専門らしい。ヤハウェ神がギリシャ神など古代の神々と異なる特徴は超越的絶対的な存在であるということ。また人間には理解できない不可知な存在であること。歴史に介入し、人々の運命を導く存在であること。ヤハウェがそういう一段抽象度の高い存在になったのは所謂枢軸の時代と言われるAD200-800年頃、哲学・宗教における初期の重要人物の出現と時期が一致している2024/11/23
司馬漬け海苔
3
やや突っぱねた論調。宗教的な匂いが嫌いな方も読めると思う。ただし、とても全史とは言い難い(原題にはそれに相当する語が無い)。注意されたい。原始宗教、三大宗教の興り、啓蒙主義の時代、宗教改革などに興味がある方にはおすすめ