内容説明
谷崎の仕掛けた“言語ゲーム”とは?特異なキャラクターたちが互いに織りなす姦策に満ちた言葉/肉体のディスクール―多彩で巧みなその秘密を独自の表現行為論から照らし出す。谷崎テクストの新たな魅力と意味への散策。
目次
第1部 『痴人の愛』の言語ゲーム(譲治の仕掛けた言語ゲームとその誤算;ナオミのサディスティックな悪徳言語ゲーム;言語ゲームの袋小路とゲームの崩壊;究極の言語ゲームと最後に微笑む者)
第2部 『卍(まんじ)』の言語ゲーム(『卍(まんじ)』における語り手の言説と自由間接話法
ヒロイン光子の告白と自由間接/直接話法)
著者等紹介
大野晃彦[オオノアキヒコ]
慶應義塾大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学。1972‐76年フランス政府給費留学生としてパリ第七大学・パリ第八大学言語学科博士課程留学。1977年横浜市立大学文理学部(仏文専攻)に着任。1981年小場瀬研究奨励賞(日本フランス語フランス文学会)受賞。1981‐82年ハーバード大学言語学科客員研究員。現在、横浜市立大学名誉教授、慶應義塾大学言語文化研究所兼任所員。専攻:言語表現行為論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。