出版社内容情報
主に『伊勢物語』『源氏物語』をとりあげ、古代の物語を現代の我々が「読む」ことの意味を問い、近代の小説類をも含む広義の物語に潜む「古代」との対話を目ざす。
目次
文学における「古代」
「読み手による文学史」の可能性
歌物語の消長
和歌の力・和歌の徳
『伊勢物語』二十三段―和歌の力を超えて
内なる物語史―『伊勢物語』を読む
「問い」と「答え」の古代的性格―『伊勢物語』六段と『源氏物語』夕顔巻
老女と色好み
六条御息所―悩める神
秋好中宮―娘の内なる母
朝顔―執着と拒絶
柏木―「恋死」の想像力
神無き時代の巫女―大江健三郎「もうひとり和泉式部が生れた日」をめぐって
蛍―喪失の風景
喪失と再生―吉本ばなな「ムーンライト・シャドウ」における古代性
著者等紹介
奥村英司[オクムラエイジ]
1962年東京都生まれ。1985年東京大学文学部卒業。1990年東京大学大学院人文科学研究科博士課程中退。文学修士。現在、鶴見大学短期大学部助教授
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