内容説明
本書は一般庶民の算教育(初等数学教育)を近世(江戸時代)から明治初期までに限定して研究したものである。「近世庶民の数学文化」という広い視野から、生活の中における数処理方法・技術をも含めて考察した。
目次
第1章 和算による数学的基盤の存在とその特質(和算の特質と和算家の研究姿勢;和算と珠算;和算家と庶民の算教育との関わり)
第2章 寺子屋における算教育と庶民の数量生活(寺子屋・郷学における算教育;『塵劫記』を中心にみた寺子屋の算の教科書;遊戯的問題の教育的意義;庶民の数量生活とその処理技術;寺子屋の算教育にみられる教科教育としての特色)
第3章 洋算導入と算教育環境の変化(洋算導入ルートとしての長崎海軍伝習所;洋算導入ルートとしての蕃書調所;各藩にみられる数学教育再編成と和算家;洋算の必要性と和算家の洋算観)
第4章 近代学校制度の発足と算術教育(近代化への模索と算教育;「学制」制定の過程と洋算採用;「学制」における算術教科の位置づけと特色;各府県における「学制」の実施状況)
第5章 算術教育の近代化にみられる特徴的現象(「九九」の扱いと暗記主義;暗算重視とその背景;算術実用論と珠算論)
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