DOJIN文庫<br> 仏教は宇宙をどう見たか―アビダルマ仏教の科学的世界観

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DOJIN文庫
仏教は宇宙をどう見たか―アビダルマ仏教の科学的世界観

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  • サイズ A6判/ページ数 246p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784759825015
  • NDC分類 183.92
  • Cコード C0115

出版社内容情報

仏教の思想を体系的にまとめた『アビダルマコーシャ』(倶舎論)のエッセンスを抽出し,「難しいけど面白い」仏教的世界観を紹介した『仏教は宇宙をどう見たか』が文庫版で再登場.超越者の存在や奇跡などの超常的現象を考慮しない,原因と結果の関係で展開する機械的宇宙.そこに示される物質,精神,エネルギー,時間,因果則などの概念とはいかなるものなのか.現代科学に通じるようで全く異なる世界観を提示し,仏教と科学の類似と相違を探った心躍る知的冒険の書.

内容説明

アビダルマ仏教が示す、超越者の存在や奇跡などの超常的現象を考慮しない、原因と結果の関係で展開する機械的宇宙。その物質、精神、エネルギー、時間、因果則などの概念はいかなるものか。現代科学に通じるようで全く異なる世界観を提示し、仏教と科学の類似と相違を探った心躍る知的冒険の書。

目次

序章 『倶舎論』への誘い
第1章 仏教の物質論―法と極微
第2章 仏教がとらえる内的世界―心・心所
第3章 仏教の時間論―諸行無常と業
第4章 仏教のエネルギー概念―心不相応行法
第5章 総合的に見た因果の法則―六因と五果
終章 分類によって変わる世界の見方―五蘊、十二処、十八界
附論 仏教における精神と物質をめぐる誤解―山部能宜氏に対して

著者等紹介

佐々木閑[ササキシズカ]
1956年、福井県生まれ。京都大学工学部工業化学科および文学部哲学科仏教学専攻卒業。京都大学大学院文学研究科博士課程満期退学。現在、花園大学文学部仏教学科教授。文学博士。専門は仏教哲学、古代インド仏教学、仏教史。著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

俊介

15
仏教の古典の中でもとりわけ難解である『倶舎論』という理論書の解説本だ。あまりに難しすぎて、一般書で扱われることは稀だ。そういう意味でも本書は貴重な一冊。著者は、分かりやすい解説に定評のある佐々木閑氏。本書では、「タコの頭と足」などの、一見シュールな比喩を駆使し、この難解な書を極限まで噛み砕いてみせる。その力量はさすがと言うしかない。それでも難しいものは難しいのだが。だが、『倶舎論』が書かれた1500年前当時、仏教の思想家がどれほど緻密で高度な議論を行っていたか、その世界の一端を垣間見せてくれる。2021/09/14

わ!

5
一冊前に読んだ「須弥山と極楽」と同じく仏教の経典のひとつである「倶舎論」の本です。本屋では、二冊が並べて売られていました。「仏教は宇宙をどう見たか」の著者は、「須弥山と極楽」に巻末の解説を書かれており、その中で学生時代に「須弥山と極楽」の本で、倶舎論に出会ったという経緯が書かれています。まさに倶舎論の「因果」を思い浮かべる面白いエピソードです。二冊を立て続けに読んだのですが、重複した感じが起こらないのも不思議で、ともに倶舎論の概要を書いているのですが、アプローチの方法が異なっているからだと思いました。2024/01/30

kichy

3
難解とされる倶舎論の世界観を一般読者にもわかりやすくイメージさせることに成功しており、とても素晴らしい本。時間の流れは錯覚であり、一瞬一瞬が映画フィルムのようにコマ送りされているに過ぎないのだが、そこに不変の「私」が連続性を感じてしまう。時間は過去から現在に流れるのではなく、未来が現在に到来し、どんどん過去が積み重なっていくというイメージ。無限の可能性がある未来から現在や過去のありようによって現在この一瞬が選び取られるが、その瞬間に現在も過去になりそれがまた、将来の「現在」を決定づけることになる。2023/12/23

Go Extreme

3
『倶舎論』への誘い 仏教の物質論―法と極微 仏教がとらえる内的世界―心・心所 仏教の時間論―諸行無常と業 仏教のエネルギー概念―心不相応行法 総合的に見た因果の法則―六因と五果 分類によって変わる世界の見方―五蘊、十二処、十八界 仏教における精神と物質をめぐる誤解―山部能宜氏に対して2021/10/01

中桐 伴行

2
アビダルマという、仏教の理論書のようなものを噛み砕いて説明してくださった本(のはず)。嚙み砕いてくださっていることは、文体や専門用語の説明などで窺い知れるのだが、難しすぎて分からない…先に説明していもらったはずである専門用語が分からなくなって、今説明してもらっていることが分からず、砂上の楼閣…いや、楼閣の設計図を示されているのだが、砂の山も作れない。これは再読、再々読が必要だ。2022/11/05

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