出版社内容情報
驚異的な芸術家であり神経科学の父でもある、サンティアゴ・ラモン・イ・カハールの感動的な伝記絵本。 サンティアゴは子どもの頃からずっと絵を描くのが好きだった。チョークや木炭を使って、壁に闘牛を描いたり、戸口に帆船を描いたりした。しかし、父親はサンティアゴを芸術家ではなく医者にしたかったので、サンティアゴは隠れて絵を描くしかなかった。ある夜、父親と一緒に廃墟と化した墓地に骸骨を探しに行き、サンティアゴが人間の体も芸術作品であることに気づくまでは。触発されたサンティアゴは医師としての訓練を受け、その芸術的な目で神経系の構造を発見し、神経科学の父となった。 科学者クリスティン・アイヴァーソンによるこの素晴らしい絵本は、スペインのアーティスト、ルチアーノ・ロサーノが想像力豊かに描き、サンティアゴ自身の絵を巧みに取り入れることで、彼の魅力的で感動的な物語に命を吹き込んでいる。巻末には、神経細胞についての科学的な記述、参考資料、サンティアゴの詳細な伝記が掲載されており、芸術と科学がともに偉業を成し遂げることを証明している。
【目次】
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やすらぎ
136
絵が好きで、父に隠れて描いていたサンティアゴが、身体の芸術性に気づき神経細胞を描くことになった。100年以上も前の話である。動物や植物などの自然界、神経や細胞などの身体、それぞれに複雑な姿をしているが、すべては何かしらの共通点がある。人は肉眼で見えない物事にも興味を持つ。心にも、神経にも。人と人が手と手をつなぐことができなくでもどこかで結び合っているように、神経と神経はわずかに接してはいないが、シナプスにより伝え合っている。人は学ばなければいけないという思いよりも好奇心を伸ばすことで、豊かになるのだろう。2025/08/03
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