出版社内容情報
自らをしばしば襲う生きづらさの本質と精神障害との関係を見極めるため,敢然と立ち向かったデビュー作.学術調査と,未発表の日記や回想録を読みあさり,洞察力あふれた考察を加えている.ヒンズー教の淵源を求め巡礼したが西洋文化に生き方を歪められるインド人女性(バプ),人種差別に絶望し心中したが生き残り,この世の不条理と戦って投獄された双子の母親(ナオミ).精神分析医への復讐に人生を捧げる透析医(レイ).裕福な家庭に育ち社交界に華々しいデビューを飾ったハーバード大卒の才女(ローラ)は再燃する精神障害と薬物療法に葛藤し,薬をやめようと決意する.著者のレイチェルは幼い頃に患った拒食症の記憶を辿ると,病棟で少女(ハヴァ)と出会っていた.自身含め6人の苦闘の生涯を,深い共感をこめて描く.
内容説明
自分という存在を精神医学的観点から定義することの極限に直面した人々…。癒しの寺院に暮らす聖女と祟められるインド人女性、精神を病み回復した後、子どもたちに赦しを求める服役中の母親、生涯を精神分析医への復讐に捧げる男性、そして、自分の診断で自分自身を決めつけ10年経った後、薬なしでは自分が何者なのか分からなくなり断薬を決意する裕福な若い女性。アヴィヴの探求は、自身が6歳のときに病棟で生活し経験したこと、そこで出会った患者との人生の平行線を辿り、やがて途絶えるまでを描く。彼女の証言は私たちの心の脆弱さとレジリエンス(回復力)を証明する。
目次
プロローグ レイチェル―「私より優れた誰か」
レイ―「これはほんとの私?私ではない?私は誰?」
バプ―「私の前に立ちはだかる壁は、私を完膚なきまでに打ちのめすのか」
ナオミ―「あなたは私の話など聞いていない」
ローラ―「何も言わなくても、彼は私の気持ちをお見通し」
エピローグ ハヴァ―「本当の自分を求めて」
著者等紹介
アヴィウ,レイチェル[アヴィウ,レイチェル] [Aviv,Rachel]
『ニューヨーカー』誌の記者。医療、教育、刑事司法などの取材活動を行っている。2022年プロフィール執筆部門でナショナル・マガジン・アワードを受賞。2019年ニューアメリカのナショナル・フェローとなり、本書の執筆のためのホワイティング・クリエイティブ・ノンフィクション助成金を受ける。ニューヨーク州ブルックリン在住
篠田里佐[シノダリサ]
愛し野内科クリニック事務長・心理相談員。東京学芸大学卒業。ロンドン大学大学院修了。医学博士、教育神経科学修士、教育学修士。国立国際医療センター研究員、理化学研究所脳科学研究センター研究員などを経て現職
岡本卓[オカモトタカシ]
愛し野内科クリニック・院長。東京大学医学部卒業。東京大学病院、ハーバード大学医学部講師などを経て現職。医学博士
和田秀樹[ワダヒデキ]
立命館大学生命科学部特任教授・精神科医。東京大学医学部卒業。東京大学病院、アメリカ・カールメニンガー精神医学校国際フェローなどを経て現職。医学博士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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