出版社内容情報
ある日、波にゆられてとどいたガラスのびん。中から出てきたなぞめいた手紙が、こどくなゆうびんやにとどけてくれたものとは…。
内容説明
海でまいごになったてがみのはいたつは、かけがえのないしごと。ガラスのびんをみつけたら、すくいあげてせんをあける。なかにてがみがはいっていたら、とどけにいく。てがみをとどけるしごとはだいすきだけど、ほんとうは、びんをあけるたびに心のどこかでいつもきたいしていた。このてがみをひらいたしゅんかん、じぶんのなまえがとびだしてきてくれたらと―。
著者等紹介
クエヴァス,ミシェル[クエヴァス,ミシェル] [Cuevas,Michelle]
小説家。ヴァージニア大学で美術学修士を取得。マサチューセッツ州で、夫と犬と暮らしている
ステッド,エリン・E.[ステッド,エリンE.] [Stead,Erin E.]
イラストレーター。ミシガン州の100歳をこえた家で、絵本作家の夫フィリップ・E・ステッドと暮らしている。『エイモスさんがかぜをひくと』(光村教育図書)でコールデコット賞を受賞
岡野佳[オカノケイ]
書店と出版社のインハウスデザイナーを経て、絵本や児童書の企画や編集、翻訳にたずさわるようになる。東京で暮らしている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
MI
80
海に落ちている便の中の手紙を拾い、相手に届ける海の郵便屋さん。ある日不思議な手紙を拾う。あて先も書いてない手紙ははじめて。「明日、はまべに来てください。パーティにご招待いたします。」郵便屋さんはこの手紙の手がかりがないかいろんな人に聞いてみるが誰も知らない。自分もパーティに誘われたい。最後の結末がよかった。2024/10/10
seacalf
71
エリン・E・ステッドの絵に一目惚れ。少し淋しげな空気を漂わせながらも、可愛らしいカットも随所にあってちょっと不思議な雰囲気を醸し出している。妙に惹かれる。これは大人向けの癒しの絵本だろうか。横長で見開きいっぱいのページの絵に引き込まれて静かで上質なショートフィルムを観てるかのような気分。海に流すボトルメッセージって、誰とは特定しない相手に向けて書くものと思っていたけれど、この郵便屋さんはきちんと配達する。読んでいる時はそんな細かいことは気にせずページをめくっていけば、最後には安らぎの結末を与えてくれる。2022/09/07
ぶんこ
59
ぽつんと木がはえるだけの高台に猫と暮らす名も無い孤独な男性。海に浮かぶ、手紙の入ったガラス瓶を探しては届けることを仕事としています。届け先はご近所のことも、はるか遠いところもありました。いつかは自分にも海からの手紙が届かないかと夢見るものの、名も無い自分、儚い夢。ある日宛名の無い海からの手紙を発見します。町の人々の郵便屋さんへの温かな気持ちが伝わる素敵な絵本でした。2022/10/04
とよぽん
55
読友さんたちが絶賛されていることは全く知らず、図書館で表紙を目にして借りてきた。タイトルの中の「ゆうびんや」に、ちょっとひっかかりを感じたが、海で迷子になった手紙をどこまでも届けに行く、名もない一人の男が主人公。名もないというのは淋しさの極みだと思った。でも、他の登場人物たちもまた、ケーキや、ふなのり、おかしや、大道芸人などと、固有名詞では語られない。手紙には、出す人から受け取る人への「思い」が込められているのだと改めて感じる。繊細な絵が、静かに深く語りかけてくる絵本でもある。2024/04/23
ヒラP@ehon.gohon
45
何だかミステリアスで切ないお話です。 手紙が入った瓶が流れ着いたら、その手紙を送り届ける、これほど不確かな仕事もないでしょう。 それでも来るはずのない手紙が届かないかと、希望を持つ郵便屋さんです。 誰宛かもわからない手紙を手にして、いつが明日か不明なパーティのことを考える、これほど不確かなのに、なぜか心は満たされていきます。 パーティの場に集まった人たちとともに過ごした時間が、手紙のボトルに満たされたようです。 幻想的な絵に癒やされました。2022/09/01
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