内容説明
もし君がとてもユニークな存在で孤独を感じることがあったとしても悩んじゃだめだよ。君のすばらしい個性を、ママのようにあたたかく受けいれてくれる居場所がきっと見つかるはず。
著者等紹介
フランカヴィーリャ,リッカルド[フランカヴィーリャ,リッカルド] [Francaviglia,Riccardo]
南イタリア、シチリア島のカターニャ在住。絵本・児童書の作家、イラストレーター。妻・パートナーであるマルゲリータ・ズガルラータとともに活動している。世界数か国での出版実績をもち、受賞歴多数。2017年にイタリア・アンデルセン賞の本部門で最終候補に選ばれた。ミラノのブレラ美術アカデミーで講師をつとめている
やまさきみづは[ヤマサキミズハ]
千葉県生まれ。上智大学文学部史学科卒。訳書に『世界 魔法道具の大図鑑』(西村書店)がある。幼いころより、美術や文芸を通じて異文化にあこがれ、大学ではイタリア・ルネサンス期の文化史を専攻。「想いと文化」を伝える翻訳者をめざしている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
れっつ
46
タイトルの意味が、絵にもよく表れていると思う。タッチも色合いも優しくて和む。この世に生まれたこと、生きていくことは、ときに予想もしない困難に遭うこともあるけれど、それ自体既に素晴らしいことだし、誰もが自分自身として生を謳歌して良い。どんな人にも居場所は必ずあるということをこの絵本は伝え、生き辛さを抱えた子どもたちに寄り添い、応援しつづけてくれる。そして身近に受け入れてくれる人がいることが、何より力になることも…。やさしくてあたたかい絵とストーリー。たくさんの子どもたちとその身近な大人たちに広めたい1冊。2021/06/01
Kawai Hideki
45
小さな子供がどんどん成長しすぎて、あまりに巨大になったため、生まれ故郷を離れて新天地に行くお話。お母さんは悲しみのあまり、子供を追いかけて小さな船で大海に漕ぎ出す。巨人になった子供は、巨人がみんなを助けて暮らす街で、居場所を見つけていたのだった。自分の存在を受け入れてくれる存在の暖かさと大切さが心に染みる絵本。2021/11/21
ネギっ子gen
42
産まれた時は、みんなと同じ。小さな小さな子どもでしたが、びっくりするほど大きくなって、雲よりも高く、巨大に。山ほど食べ、なんでも踏んづけてぺしゃんこに。「大きすぎる!」 「大問題だ!」 と皆は大騒ぎ。ついに、大きなこの子は生まれ育った街にいられなくなり、たった一人で遠い街へ向かうことに。ママも小さな船で追いかけて――。辿り着いたところは、素晴らしい街でした! この街では、皆のために大活躍。みんなに愛されるヒーローです。ママをぎゅっと抱きしめ、言う。「このまちは、ぼくのママみたい。やさしくてあたたかい」と。2021/10/08
chiaki
40
大きく育ち巨人になってしまった“おおきなこの子”は、自分の存在がみんなに迷惑をかけると、遠くの街へと旅立ちます。みんなは安心したけれど、ママは辛くてならず…。とてもシンプルな文と絵が、心にぐっと刺さりました。自分を必要としている場所、居心地のいい場所は、きっと必ずあるということ。そして、どんなときも母の愛は偉大で永遠、心帰る場所は母の元なんだと感じました。2021/12/17
anne@灯れ松明の火
36
新着棚で。生まれた時は、みんなと同じ、小さな赤ちゃんだったのに、どんどんどんどん大きくなって、表紙のようにビルより大きくなってしまった。みんなに迷惑だと町を出て行った子が移り住んだところは……? その子を追いかけてゆく母の思いは……? 奥付の上に「みんなと いっしょではない、すべての人たちへ」とある。タイトル通り、やさしくてあたたかいストーリーと絵に癒される。母の愛に感動。そして、どんなに大きくなっても、母の前では子どもなんだね。3:022021/06/25