出版社内容情報
大野 智[オオノ サトシ]
著・文・その他
内容説明
健康食品やサプリメント、鍼灸、ヨガなど数多く存在する「民間療法(補完代替療法)」。根拠不明の健康法や食事法がブームとなり、現れては消えを繰り返している。なぜ人は補完代替療法を求めるのか。気になる補完代替療法があるとき、どう向き合い、誰に相談したらよいのか。医師として実際に経験した事例をもとに、怪しい情報を見極めるコツやポイントを、ステップ・バイ・ステップで丁寧に解説する。補完代替療法の落とし穴にはまらないために、ヘルスリテラシーの重要性を説く。
目次
第1章 「補完代替療法」は西洋医学と相対するものなのか?
第2章 補完代替療法の問題点
第3章 補完代替療法は効くのか?
第4章 病気の人が補完代替療法に関心を持ったとき
第5章 ヘルスリテラシーを知っていますか?
第6章 補完代替療法との上手な向き合い方
著者等紹介
大野智[オオノサトシ]
1971年、静岡県生まれ。98年、島根医科大学(現・島根大学医学部)卒業、同大学第二外科入局、2002年、同大学大学院修了。医学博士。金沢大学、大阪大学等を経て、2018年より島根大学医学部附属病院臨床研究センター教授。補完代替医療や健康食品にくわしく、厚生労働省「『統合医療』情報発信サイト」の作成に取り組むほか、日本緩和医療学会ガイドライン統括委員(補完代替療法分野担当)も務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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アキ
116
膝の痛みにグルコサミン?テレビCMでよく見かけるが、健康食品などの補完代替療法は、今では通常の医療と同様市民権を得ている。著者は20年補完代替療法に向き合い、なぜ患者は代替療法に興味を持つのか考えてきた。そこには医療側の説明への不満とSNSなどでの過多な情報の蔓延、病への漠然とした不安が背景に見られると指摘する。正確な情報があっても、その人にとっての正しい情報とは限らない。ヘルスリテラシーとは、健康情報には必ず不確実性が伴うもので、その不確実性に耐えつつ決断の意思決定をすることが重要であると著者は言う。2022/07/04
榊原 香織
50
ヨガはエビデンス出てるんですね、ふーん (QOL;生活の質 の改善効果)2022/08/10
くさてる
22
健康食品、ヨガ、マッサージなどのいわゆる「民間療法」はほんとうに「効く」のか?というテーマを、専門家である医師が丁寧に解説したもの。面白おかしい驚きの内容!というものではないのですが、だからこそ信頼できるものだと思いました。病気や体の不調に悩む人が、藁にもすがる思いになるときに、ほんとうの藁をつかんでしまわないように、こういう冷静で穏やかな視点で書かれた本が必要なのだと思います。2022/11/12
kitten
15
図書館本。大野さんによる、補完代替療法の解説本。一般向けに書いてるので、わかりにくいところはほとんどない。医師としては、正直、全部怪しいからやめとき、といいたいところを我慢して丁寧に説明していると思った。私にとって新たな発見は、昔に比べてサプリメントのエビデンスがどんどん増えてるということ。昔はほとんど研究されてなかったのにね。ただ、ネガティブな(効果が認められない)データが多いみたいだけど、それはしょうがない。患者さんが本当に欲しいのは、医師からの「大丈夫ですよ」という言葉なんだろうな。2022/09/30
Iwata Kentaro
15
献本御礼。むちゃくちゃいい本です。サプリメントやヨガなど、いわゆる代替療法に興味がある人、ハマってる人は絶対に読んでほしい。本書は代替療法を肯定も否定もせず、その効果を吟味するリテラシーを育むためのトリセツです。説明力高すぎで、文章力に嫉妬しましたよ、久々に。2022/06/30