出版社内容情報
なぜ化学を学ぶのか--- 科学リテラシーと科学的方法や批判的思考力を身につけるための一冊.現代社会のさまざまなトピックからふさわしいテーマを選び,導入で化学にまつわる「おはなし」を紹介.ついで化学がそのトピックにどうにかかわるかを,「化学の概念」を織り交ぜながら解説する.化学(科学)のリテラシーや批判的思考力を養うことに重点が置かれ,化学の本質や面白さを実感できる構成となっている.ニュースに登場する科学を理解するための書.非化学系向けの化学のテキストに.
第1章 化学のおはなし:科学的方法:考える,測定する,また考える
1.1 科学的方法とは
1.2 きわめて大きい,あるいはきわめて小さい数を扱うとき
1.3 メートル法:単位の換算と次元解析
1.4 測定値のあれこれ
The green BEAT 平均海面をどうやって測定するのだろう
第2章 原子:原子とそのなかに潜むもののすべて
2.1 原子:万物の基礎
2.2 周期表をざっと見てみよう
2.3 なぜ中性子は重要か
2.4 電子:化学者にとって最も重要な粒子
2.5 光と原子との相互作用
natureBOX 光害
The green BEAT 電球は改良されたといえるだろうか?
第3章 すべてのもの:物質を体系づけ,分類するには?
3.1 自然界で元素はどのように分布しているか
3.2 周期表を旅する
3.3 物質を分類する
3.4 化合物と化学式
3.5 物質が変化するとき
natureBOX 金の採鉱にかかわる問題
The green BEAT e-ゴミ
第4章 化学結合:原子を束ねる力を理解するために
4.1 オクテット則
4.2 化学結合入門
4.3 イオン結合
4.4 共有結合と結合の極性
4.5 金属における結合
4.6 二つの原子間の結合の種類を決める
natureBOX 体臭を減らすのに銀ナノ粒子を用いるべきか
第5章 炭素:炭素,有機分子とカーボンフットプリント
5.1 炭素はなぜ特別なのか
5.2 グラファイト,グラフェン,フラーレンと多重結合
5.3 有機分子を理解する
5.4 代表的な有機官能基
natureBOX カーボンフットプリントを評価する
The green BEAT 炭素固定と炭素除去
第6章 気体:大気中の気体とそのふるまい
6.1 気体の性質
6.2 圧力
6.3 気体に影響する変数:モル,温度,体積,圧力
6.4 気体の法則:序論
natureBOX 気相の誘引分子
The green BEAT 気体を検知する役目をもつハチ
第7章 化学反応:化学変化をどう追跡するか
7.1 火花! テルミット反応
7.2 原子の計算
7.3 化学量論
7.4 現実の世界での化学反応
natureBOX 二つのオゾンホール
The green BEAT 雌牛の鼓張と地球温暖化
第8章 水:水は人間と地球にとって不可欠なのか?
8.1 ウォーターフットプリント
8.2 液体の水の性質
8.3 相の変化I:水と氷
8.4 相の変化II:水と水蒸気
natureBOX 鳴く鳥と水素原子
The green BEAT 飲み水に何かを加えるべきか?
第9章 塩と水溶液:塩の性質 : 塩はどのように水と相互作用するか
9.1 復習:塩の性質
9.2 多原子イオン
9.3 イオンの水和
9.4 濃度と電気分解
9.5 浸透と濃度勾配
natureBOX 水から飛び出る魚
The green BEAT ピンク色の塩,ハロバクテリア,新しいエネルギー源
第10章 pHと酸性雨:酸性雨と私たちを取り巻く環境
10.1 水の自動イオン化
10.2 酸,塩基,pH スケール
10.3 酸性雨?:硫黄による汚染物質
10.4 酸性雨?:窒素による汚染物質
10.5 酸性雨の影響
natureBOX ビネグレット大会堂
The green BEAT ヒッピー,アースデー,酸性雨?
第11章 原子力:核化学の基礎
11.1 核反応の性質
11.2 原子核からのエネルギー
11.3 すばらしい半減期
11.4 生体と放射能
natureBOX ゴミを捨てるのは誰か
The green BEAT 原子力発電所は十分に安全か?
第12章 エネルギー・電力・気候変動:電力を発生させ,エネルギーを保存する新しい方法
12.1 エネルギーと電力
12.2 化石燃料:化石燃料とはなにか,それはどこから得られるか
12.3 化石燃料と気候変動
12.4 新しい環境基準に対応する
12.5 エネルギーを水素分子のなかに蓄える
12.6 太陽からのエネルギー
natureBOX 氷床コアの測定
The green BEAT インターネットのサーバファームのエネルギー使用量
第13章 持続可能性とリサイクル:資源の利用・再利用のためのよりよい方法をめざして
13.1 持続可能性とは何か?
13.2 プラスチックとは何か?
13.3 ポリマーの物理的性質
13.4 リサイクル可能,持続可能なプラスチック
natureBOX 紙はリサイクルすべきか?
The green BEAT ゴミ集積場,紙,使い捨てボトルの脅威
第14章 食べ物:私たちが口にする食品の生化学
14.1 タンパク質:最も重要な栄養素
14.2 タンパク質はどのようにつくられるか
14.3 遺伝子工学とGMO
14.4 炭水化物
14.5 脂肪
natureBOX 天然オレンジジュースの終焉
The green BEAT トランス脂肪とバイオディーゼル
キンバリー・ウォルドロン[キンバリー ウォルドロン]
Kimberley Waldron
竹内 敬人[タケウチ ヨシト]
内容説明
解決すべき現代社会のトピックと化学とのかかわりがある―現代社会の課題を知り、それに立ち向かうために知っておくべき概念を学ぶ。科学リテラシーを習得できる―科学的に考え、理解するために必要最低限の知識、科学リテラシーを習得できる。科学的方法や批判的思考力が身につく―証拠や事実に基づいて、理論的あるいは批判的に考える力が身につく。科学者について知ることができる―現代社会のなかで、科学者がどのように考え、行動し、研究を進めているかがわかる。
目次
化学のおはなし―科学的方法:考える、測定する、また考える
原子―原子とそのなかに潜むもののすべて
すべてのもの―物質を体系づけ、分類するには?
化学結合―原子を束ねる力を理解するために
炭素―炭素、有機分子とカーボンフットプリント
気体―大気中の気体とそのふるまい
化学反応―化学変化をどう追跡するか
水―水は人間と地球にとって不可欠なのか?
塩と水溶液―塩の性質:塩はどのように水と相互作用するか
pHと酸性雨―酸性雨と私たちを取り巻く環境
原子力―核化学の基礎
エネルギー・電力・気候変動―電力を発生させ、エネルギーを保存する新しい方法
持続可能性とリサイクル―資源の利用・再利用のためのよりよい方法をめざして
食べ物―私たちが口にする食品の生化学
著者等紹介
竹内敬人[タケウチヨシト]
1934年東京都生まれ。1960年東京大学教養学部教養学科卒業。1962年東京大学大学院化学系研究科修士課程修了。1970年東京大学教養学部助教授。1984年東京大学教養学部教授。1995年神奈川大学教授。この間、放送大学客員教授(1992~2000)、国際教養大学客員教授(2005~2009)を歴任。現在、東京大学名誉教授、神奈川大学名誉教授。理学博士。専門は有機合成化学、物理有機化学、化学教育(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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