内容説明
食材としてではなく、キャラクター化された姿でもなく、腕で考える動物の面目躍如たる知的能力。
目次
第1章 タコの知られざる横顔(タコの国;タコとは誰か ほか)
第2章 賢者としてのタコ(知性をつくり出すもの;学び覚えるタコ ほか)
第3章 タコの社会を考える(社会的なイカと非社会的なタコ;社会的なタコ ほか)
第4章 タコが認識する世界(視覚の動物;腕で考えるタコ ほか)
第5章 タコ学の挑戦ふたたび(サル学とのアナロジー;タコの赤ちゃん学 ほか)
著者等紹介
池田譲[イケダユズル]
1964年、大阪府生まれ。93年、北海道大学大学院水産学研究科水産増殖学専攻博士課程修了。博士(水産学)。スタンフォード大学、京都大学、理化学研究所を経て、2003年、琉球大学理学部助教授。現在、琉球大学理学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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おーすが
16
「タコとは何か」から始まり脊椎動物に比肩する大きな脳、その知性、生み出される社会、タコの認知世界へとはなしはすすむ。日本と世界のタコ研究の概略もわかりやすく面白い。イギリス人はタコが嫌いなのか…。数々の実験も紹介される。ゴムホース実験の「やったことにケリをつける」行動からはタコの時間の認知がわかるような気がするし、iPadを使った実験からわかるタコのクロスモーダル知覚には驚かされる。触覚に全フリして生きる姿に、殻を捨てた貝としてのタコのいきざまが見えるよう。2022/04/26
今庄和恵@マチカドホケン室/コネクトロン
14
コロナが終息して居酒屋に気兼ねなく行けるようになったら私はイカとタコを注文してこの本で得た知識をこれでもかと披露することだろう。いや、できない(どっちやねん)。タコ、食べれないよ。イルカやクジラを過激に保護するクラスタと同じだよ、こんな賢くてカワイイもの食べれないよ!ナマコを人類史上初めて食べた人は偉大だと思うのだけど、タコが絵を見分けるかどうかというテストをしようとか思いつく人がすごくね?不本意にイカ専門家と目された著者が、じゃあタコでも、と研究を始められたようで、チャーミングな文体でページをめくる手が2021/02/28
スプリント
9
タコ学も奥が深い2021/02/26
ぽけっとももんが
7
「タコの心身問題」ほど哲学的過ぎず、「愛しのオクトパス」ほど叙情的ではないこの本で、賢いたこを存分に満喫した。世の中には奇妙な生き物がいて独自の世界を持っている。彼らが見て感じている世界って、どんな風なんだろう。たこの養殖ができないのは、餌の確保が難しいからだそうです。莫大食べるその餌代が嵩んじゃ意味ないよね。今朝たまたまみたテレビでさかなクンがたこの絵を描いていて、目を一文字にぐっと引いた途端にいかにもリアルなたこになったのに感動した。さすがだなぁ。いかたこ好きだけど食べるのはさほどでもないです。2021/05/03
vonnel_g
4
人間基準でだけれど賢いなあタコ。250種類全部がこんな風に視覚と触覚を使い、同じように賢いのだろうか。その辺の謎が解けるのはまだまだ先のようで。こんなにも馴染みのある生物なのに完全養殖がまだできていないということにも驚く。2021/03/21