内容説明
迷子にならず自分の巣に帰るアリ。クロシジミの幼虫にせっせと餌を運ぶアリ。体臭の違いによって、敵か味方かを識別しているアリ。“働かない”働きアリもひっくるめて巣を構成するアリ。全世界を股にかけてコロニーを拡大させるアリとその阻止を目論むヒト…。「アリ、なんであんたはそうなのか」の問いを胸に、アリと会話し、アリ目線の自然に身を置き、脱線を繰り返しながら読み解く、アリの生き方。前代未聞のアリの本、誕生。
目次
言葉で道をつくる
アリ、なんであんたはそうなのか
道ならぬ声のとりことなって
背負わせてみようか、ランドセル
甘露もらってガードマン
甘露もらって養子縁組み
蝶の養子と箱入り息子
ゴミ捨ては死者の呼び声とともに
ゴミ捨て場は薄桃色の花に埋もれて
仲間どうし分かち合い助け合い〔ほか〕
著者等紹介
尾崎まみこ[オザキマミコ]
1982年、九州大学大学院理学研究科博士課程修了、米国パデュー大学博士研究員、西独マックス・プランク行動生理学研究所招待研究員、大阪大学教務補佐員、京都工芸繊維大学助教授を経て、神戸大学大学院理学研究科教授。理学博士。専門は味覚嗅覚生理学、化学生態学。おもな研究テーマは、アリの巣仲間識別センサーのメカニズムの解明とその応用(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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mame0729
1
アリの研究者によるエッセイです。DOJIN選書なのでもう少し学術的な内容を期待していましたが、半分以上が著者の研究や子育ての想い出話であまり面白くありませんでした。著者を個人的に知っている人や育児中の女性研究者なら楽しめるのかもしれません。2018/12/05
maimai
1
アリの生態について、異なるコロニーのアリを区別する方法を中心に、読みやすく解説している。 この本の優れた点として、実験方法や知見の根拠になった事柄に出典付きで言及していることがあげられる。 ただし、いくつかの比喩について不適切だと感じる部分があった。具体的には、細かいが殺虫剤に抵抗性を持つアリの議論でインフルエンザウイルスに同じワクチンが効きにくくなるという議論や(これはRNAウイルスの変異しやすさによるもので、ワクチンを打たなくても起こる。タミフルなどの利用と抵抗性としたほうが適切ではないか)などがある2017/11/08
Wisdom
0
学術的な内容であるにも関わらず,小説を読む感覚で楽しめる本です.アリの生態と,研究への取り組みが生き生きと伝わってきます. 筆者と面識があり,面白い方なのは知っていましたが, 文章もこんなに面白いとは...2017/09/26
としくん
0
小さなアリさんの不思議な行動は人の営みに似ているような気がします。2023/01/28
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