内容説明
日本国が溶解し始めている!かつて繁栄を極めた日本が、なぜ世界に遅れをとるようになったのか―。今こそ、「日本の危機」を直視するとき!
目次
第1章 世界のなかで唯一経済成長しない国
第2章 新自由主義経済学による日本破壊
第3章 深まらない安全保障議論と憲法
第4章 東京首都圏一極集中という危機
第5章 先進各国に大きく遅れをとるインフラ環境
第6章 壊れていく日本語
第7章 日本を弱くした選挙制度
第8章 揺らぐ日本の土地所有
第9章 国家の根幹「公務員制度」の危機
第10章 崩壊していく子どもたち
第11章 人生一〇〇年時代の制度設計
著者等紹介
大石久和[オオイシヒサカズ]
1945年、兵庫県出身。1970年、京都大学大学院工学研究科修士課程修了。同年、建設省入省。建設省道路局長、国土交通省技監を歴任。一般社団法人全日本建設技術協会会長、公益社団法人土木学会第105代会長、京都大学大学院経営管理研究部特命教授、一般財団法人国土技術研究センター国土政策研究所長を兼務。専攻・国土学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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roatsu
21
「国土が日本人の~」に続く労作で、日本溶解の危機に打つ手を模索する心ある日本人ならば読むべき内容と思う。某前事務次官のような権力欲の亡者とは異なる、良心と優秀さを持って行政の中枢にいた元官僚からの苦言。失われた20年をはじめ顕在・潜在の別なく日本を苛む深刻な苦境は、結局危機感、当事者意識、共同体を長期に渡り自らの手で維持するために何をすべきかという戦略を欠いた戦後日本人の場当たり的な舵取りが招いたという「見たくない現実」を数字も交えて具体的に総括し、読み手に訴える。新自由主義を始めいかにも理想的・革新的に2017/11/08
かず
13
著者は国土交通省技監を勤めた元土木官僚です。「国土学」を提唱し、土木工学の枠に留まらず、歴史・思想も含めた総合的見地からこの国を見つめ直し、複数書籍化されています。今回は更に踏み込み警告しています。「危機感のない日本」、これを見て、貴方は如何思われるでしょうか?テレビや雑誌を見て危機感は感じている、と、反論されるかもしれません。しかし、筆者は、貴方が評論家よろしく只騒ぎ立てることを求めていません。数々の危機を書き連ね、「さあ、貴方はどうする」と覚悟を求めています。是非、お読み頂き、共に行動致しましょう!2017/12/12
トラ
6
今の日本にある「危機」を縦横無尽に語るものでした。日本で生まれて日本で育って、きっとこれからも暮らし続ける国に対して何ができるのかを考えさせられました。問題なのは官僚や政治家だけでなく、自分たちのような市井の人々の意識も関わっているのだと実感しました。2017/12/15
後藤良平
4
筆者は業界誌で国債は借金じゃないという記事を読んで気になっていた方。世界の中で唯一経済成長をしない国という章から始まるが、去年あたりからこの話を聞く機会が多い。成長しなくても良いということを言う人もいるが、結局それで税収が減り、給与が下がり、貧困になっているのだから、国の成長は必ず必要だ。こんなに問題が多い国だと感じている人は、国のトップに何人いるのだ?今まで規制緩和や外国人導入に賛成していた自分を反省する。そして安全保障と憲法論議、首都圏一極集中、選挙制度等もっと真剣に考えねば。年間No.25購入。2021/02/15
belalugosi6997
4
風が吹いて、雨や雪が降っただけで、地震で揺れて激甚災害認定される災害大国になってしまった。列島が活動期に直面しているのもそうなのだろうが、インフラへの投資を怠っていたからなのである。世の趨勢はインフラ投資失くして経済成長なし。メルケルやキャメロンでさえインフラの重要性を訴えている。無駄な公共事業と呼ばれたインフラ投資を削減しても社会保障の増額はない、研究費も増えない。財布が別だからである。なぜインフラ投資を嫌うのか?大陸は古代から城壁を造り外敵に備えてきた。島国は外敵がいない、幸せが故の意識の低さである。2018/10/03
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