内容説明
本書は、出生前診断について初めて考えてみようと思われる方を対象に、技術的な情報にとどまらず、この社会の中でどんな問題があるのか、障害者や女性にとってどんな意味をもつのか、法律や歴史とどのようにかかわっているのかなど、さまざまな角度から問題点を拾い出し、できるだけわかりやすいものにしている。
目次
出生前診断にはどういうものがあり、何がわかるのですか?
現代社会では、有害物質や環境悪化など人体への影響が危惧されるわけですから、出生前診断を受けたほうが安心なのではないですか?
出生前診断を受けて胎児の疾病や障害の有無がわかったほうが、治療や生まれてからの準備に役立つのではないですか?
血液検査だけで、胎児の障害の有無がわかる検査があると聞きました。採血だけで簡単にわかるのであれば、検査を受けてもいいのではないでしょうか?
私は遺伝性疾患をもっているので、生まれてくる子のことが心配です。出生前診断を受けたほうがいいのではないでしょうか?
最近、受精卵を調べて障害や遺伝病の有無を検査する方法が話題になっていますが、女性の心身の負担を軽くし、健康な子どもを産めるのなら、問題ないのではないですか?
治療法のない重い障害の場合に限れば、出生前診断は必要なのではないでしょうか?
出生前診断を受けるか受けないか、障害をもって生まれてくるとわかった場合に中絶するかしないかは、妊婦やパートナーが決めることだから、診断自体に問題はないのでは?
出生前診断について障害者自身はどう思っているのですか?
出生前診断について、障害をもつ子どもの親たちは、どのように考えているのでしょうか?〔ほか〕