エルくらぶ
焼き肉を食べる前に。―絵本作家がお肉の職人たちを訪ねた

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  • サイズ A5判/ページ数 127p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784759250367

目次

第1章 貝塚 北出新司さん―普通の仕事。生きていくためにやっている、どこにでもある仕事。
第2章 南港市場 Kさん―一番ひどかったのは、力の入れ方まちがって、ナイフで自分のはらを刺してしまったときです。
第3章 南港市場 村上悟朗さん―毎日、なにか改良を加えていきたいんですよ。かたい頑固な頭じゃなくて、新しいものを取り入れるやわらかい頭でね。
第4章 南港市場 河合一夫さん―今でもこの職業は、世間に堂々と発表できる、そういう種類の仕事ではないという気持ちが、私にはあります。
第5章 南港市場 Tさん―自分たちの仕事は、牛や豚を捌いて食肉や皮にして、世の中の人に手渡すことなんです。
第6章 芝浦と場 Mさん―お肉は食べるけれど、それがどうやってでき上がってくるかを知らない人がほとんどなんですよ。
第7章 芝浦と場 栃木裕さん―私らの仕事は、特別にほめられることでもなく、けなされることでもない。普通の仕事なんだから。
第8章 横浜市場 鈴木正敏さん―殺すということだけにこだわってしまうから、そこで仕事をするすべての人が傷ついてしまうんだよ。
第9章 貝塚 北出昭さん―店のお客さんにお肉がおいしかったと言ってもらったら、その牛の顔が浮かびますもん。

著者等紹介

中川洋典[ナカガワヒロノリ]
1961年、京都府舞鶴市生まれ。一度はサラリーマンになったものの絵本作家に(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

kinkin

95
以前「ドキュメント 屠場」や「うちは精肉店」「ブタとおっちゃん」を読んでいたので気になっていた本。最近、学校で命の授業やいただきますの意味を教えているところもあると聞いた。それは正しくないことはないがどこか消化不良気味だったので良い本に出会ったと思う。殺すということ、それがどういうことか、屠畜という職業について、仕事の中身など今まで蓋をされていたようなことを含めて職人たちと著者インタビュー、イラストで構成されていた。「焼き肉を食べる前に」というタイトルもすごい。おすすめ。図書館本。2016/10/13

☆よいこ

93
食育本。『命をいただく』とはちょっと意見がちがうところもある。屠畜の仕事は特別なものではなく、作業をしている人にとっては「ふつうの仕事」。差別されてきた歴史も踏まえて読むことは必要だが、必要以上に美化されるのには違和感があるという。▽作業員の正直なインタビューが書かれている。どんな仕事でも尊い。焼肉は美味しくいただきます。2020/10/27

ぶち

89
『いのちの食べかた(よりみちパンセ)』に引き続いて同じ読友さんの紹介。読友さんが仰るように『いのちの食べかた』よりも、屠場で働く人々の想いがよく分かります。働いている人たちのだれもが"特別な仕事"ではなく、他の職場と同じ"普通の仕事"だと仰っています。でも、日本人の多くの人は"特別"だと思っているようです。日本人の道徳感には仏教の殺傷の戒めの考えが深く関わっているからでしょう。魚を捌くことにはほとんどの人が忌諱に思わないのに.....牛や豚の食肉を作る仕事を"特別視"しないようにしたいものです。2022/05/20

chimako

88
今日の研修での収穫本。隣に座った長年の司書仲間のお薦め。「最近読んで一番驚いた本です」と。副題は―絵本作家がお肉の職人たちを訪ねた―焼き肉を美味しく食べるための本だとは思わなかったけれどこんなに色々考えさせられるとは。屠畜という仕事、屠畜に関わることの差別、被差別部落のこと、仕事としての屠畜、屠という言葉の意味 など……知らないことばかり。知ろうとしなかったことばかり。きれい事ではない。牛を肉に変える仕事は職人技が映える。特別ではないと誰もが言う。今日も食卓には肉が並ぶ。2017/07/27

けんとまん1007

70
以前、魚は切り身で海を泳いでいる・・と思っている子どもたちの話を耳にしたことがある。日頃、口にしている食べ物、その中でも肉にフォーカスした1冊。動物の命を食べているにも関わらず、屠場の仕事のことを、ある意味隠してきたこの国の歴史があらわになる。皆さんに共通する言葉が、普通の仕事だということ。世の中にある、数多くの仕事の中の一つであるということ。その視点に立つことから。2021/11/29

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