内容説明
明治末期の炭抗を舞台に、少年吉郎と馬と、そこに生きる人たちの物語。部落解放文学賞児童文学部門入選作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
てんちゃん
34
明治末期の炭抗を舞台に、少年吉郎と馬と、そこに生きる人たちの物語。部落解放文学賞入選作ということで、人権を強く主張する作品かと思いきや、そうではありませんでした。昭和前期まで実際にあった過酷な炭鉱の労働とそこに生きる人達の温かな繋がり、家族の絆、少年の成長などを、上手に児童書としてまとめています。ストーリーにスリルと面白さもあります。宮崎駿監督の『もののけ姫』や『千と千尋の神隠し』に繋がるような力強いメッセージ性があります。たまに児童書を手に取りますが、期待以上の良作に出会うことも多く、おもしろいです。2016/04/27