内容説明
英語の前置詞は、日本語の助詞と同様に、複雑をきわめていて、外国人にはマスターしがたいとされている。それならば、英語を母語とする人々は、なぜ、その“複雑”な前置詞をたいした苦もなく使いこなすことができるのだろうか。彼らは、それぞれの前置詞の意味を、もっと直覚的に、もっと端的につかまえているのではないだろうか。本書では、前置詞の細分化された意味は、できるだけ単一の“中核的意味”にまとめるように試みた。
目次
第1章 序説
第2章 基本前置詞
第3章 その他の前置詞
第4章 総合研究
第5章 紛らわしい句動詞(=動詞+前置詞)
第6章 紛らわしい「形容詞+前置詞」
第7章 群前置詞研究
補遺 overの意味分析
著者等紹介
安藤貞雄[アンドウサダオ]
広島大学名誉教授・文学博士(名古屋大学)。1973年ロンドン大学留学。1976年市河賞、2006年英語語法文法学会賞、2008年瑞宝中綬章(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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センケイ (線形)
8
もとの意味なら何度も見ているはずだがそれでもわからない前置詞。しかし圧倒的な用例の量と、派生して出てきた意味同士の関係が項目別に整理されているこの本を読むと、ようやく見えてくるものがある。紛らわしい用例同士の比較など、教育上役立ちそうな章もまた後半戦に続いて出てくる。over を例に、どうしてそういう派生が生まれるかの考え方のコツも出てくるので (出来れば全前置詞にあってほしかったが笑)、どうイメージを固めるかの自分なりの攻略法を見いだせるに違いない。どうしても忘れてしまう意味に決着をつける時だ!2020/06/07