内容説明
本書は、大室剛志教授が2021年3月に名古屋大学を退職されたことを祝し、親交のある研究者、および教え子を含む名古屋大学関係者が寄稿した35篇からなる論文集である。論文の内容は多岐にわたっているが、名古屋大学英語学研究室が目指す、共時的研究と通時的研究の実証面と理論面における有機的融合を体現した論文が多くを占める。大室教授への思いを込めて、言語の本質を共時・通時の両面から探ることの重要性を説いた1冊である。
目次
英語の時の付加詞節における事象時調和制約としての時制調和現象
Aチェーンの要素の顕在化と束縛変項読みとの関係について
新たな視点から見たone’s way構文
最適性理論の回顧と展望―直列調和モデルから濁りの表示モデルへ
文末に生起する副詞的to不定詞の解釈について
提案・勧誘を表すwhat do you sayの表現パターンと優先規則体系
交替と通時的構文文法―所格交替を例に
属格標識’sの史的発達と(脱)文法化
初期英語における関係節の語順について
後期近代英語以降における動詞補部の史的変化〔ほか〕