内容説明
語彙意味論の研究は、従来動詞中心に展開してきたが、近年の新たな理論的な発展の結果、これまであまり注目されてこなかった名詞の研究への関心が高まってきている。本論文集は、近年、特に注目を浴びている名詞の文法的役割について、日英語に限らず諸言語にも目を向けながら、文レベルや語レベルのさまざまな文法現象を詳細に分析し、新たな知見をもたらす画期的な成果を著した論考を集結した語彙意味論の最新論文集である。
目次
1 名詞が関わる語形成の問題(「動詞連用形+名詞」複合語の多義について;名詞転換動詞形成にかかわる制約―英語の作成動詞と産出動詞を中心に ほか)
2 名詞が関わる意味解釈の問題(同格名詞句における各名詞句の役割;軽動詞構文における強制と共合成―「する」と「ある」をめぐって ほか)
3 名詞が関わる統語の問題(難易文・可能文における裸名詞句の解釈と統語構造;「Xは高い」と「Xは高さがある」の比較から見た尺度構文の統語構造 ほか)
4 諸言語における名詞の問題(名詞のクオリアと中国語の場所を表す非典型的目的語;ハンガリー語の所有標識 ほか)
著者等紹介
由本陽子[ユモトヨウコ]
大阪大学言語文化研究科教授
岸本秀樹[キシモトヒデキ]
神戸大学人文学研究科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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