内容説明
研究者に焦点を絞った認知言語学の概説書。著者お得意のメタファー論はもとより、メトニミー、カテゴリー論、イメージ・スキーマ論、多義論、フレーム意味論、構文文法、虚構移動、力動理論、移動の類型論、捉え方、ベースとプロファイル、認知文法、スキーマとプロトタイプ、メンタルスペース、融合理論と盛りだくさんの内容になっている。取り上げる著者は、レイコフ&ジョンソン、フィルモア、ラネカーら7人。
目次
プロローグ―ゴキブリを美女に変身させる
従来の意味観と認知言語学
従来の統語観と認知言語学
認知言語学の歴史(1)ジョージ・レイコフとマーク・ジョンソン
認知言語学の歴史(2)チャールズ・フィルモア
認知言語学の歴史(3)レン・タルミー
認知言語学の歴史(4)ロン・ラネカー
認知言語学の歴史(5)ジル・フォコニエ
認知言語学の歴史(6)アデル・ゴールドバーグ
認知言語学の理論間のリンク
認知言語学の理論間のスキーマ
エピローグ―新しい冒険者のために
著者等紹介
鍋島弘治朗[ナベシマコウジロウ]
関西大学教授。専門は言語学、認知言語学、メタファー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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南北
35
ゆる言語学ラジオで紹介されていたので読んでみた。認知言語学とは言語の形式と意味の両方を捉えるという点が特徴の言語学である。本書は認知言語学の研究者7人6組の研究者別に概要を紹介しているので、これから認知言語学を研究しようとする人向けかもしれないと思ったが、面白いと思える点があった。特にJohn baked Nancy cookies.(ジョンはナンシーにクッキーを焼いてあげた)でNancyをbakeしているわけでもないのにこういう表現をするというゴールドバーグの構文文法は興味深く読むことができた。2022/04/30
kaze
12
認知言語学の著名な研究者の先行研究について、初学者向けにわかりやすく概要を紹介してくれる学術書。とはいえ、中には脳が理解を拒絶する研究もあり、つまり私はそのテーマにそもそも関心がないということがよく分かった。それだけでも読んだ価値はあった。2022/03/20
Танечка (たーにゃ)
5
面白かったー!けど、なんだか似たような概念がいろいろ出てきて混乱したので、巻末でお勧めされていた他の認知言語学の本を読んだのち、また戻ってくる必要があるかもしれない。2023/07/12
monado
2
認知言語学のざっくりとした概観を平易には説明しているものの、ちょっと読む上での前提知識が足りない成果、各章の繋がりのようなものをちゃんと見いだすことができなかった。 個別の話は結構面白い。2022/11/23