ボヌール・デ・ダム百貨店―デパートの誕生

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ボヌール・デ・ダム百貨店―デパートの誕生

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  • サイズ B6判/ページ数 651p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784894343757
  • NDC分類 958
  • Cコード C0397

内容説明

ノルマンディーの田舎町から叔父を頼って上京してきた孤児の娘ドゥニーズは、パリに着いた朝、生まれてはじめて目にしたデパートの華麗なショーウィンドーに心底から魅惑される。デパートの名前は「ボヌール・デ・ダム」、すなわち「ご婦人方の幸福」百貨店。これは活動的で野心家、そして名だたるプレイボーイであるオクターヴ・ムーレが、大量の魅力的な商品とさまざまな近代商法によってパリ中の女性を誘惑し、驚異的に売上げを伸ばしている店である。ドゥニーズはこの店で、一介の女店員として働きはじめることになる。華やかなデパートは、婦人客を食いものにし、近隣の小商店を押しつぶす巨大で怪物的な機械装置でもあった。この小説はゾラが、同時代のデパートの躍進を、ムーレとドゥニーズの恋愛を横糸にしながら描き出した大作である。

著者等紹介

ゾラ,エミール[ゾラ,エミール][Zola,´Emile]
1840年、パリに生まれる。フランスの作家・批評家。22歳ごろから小説や評論を書き始め、美術批評の筆も執り、マネを擁護した。1862年、アシェット書店広報部に就職するが、1866年に退職。1864年に短編集『ニノンヘのコント』を出版、1865年に処女長編『クロードの告白』を出版。1870年、アレクサンドリーヌ・ムレと結婚する。1871年、ライフワークたる『ルーゴン・マッカール叢書』第1巻『ルーゴン家の繁栄』を出す。その後『居酒屋』、『ジェルミナール』を経て1893年、『パスカル博士』をもって『ルーゴン・マッカール叢書』は完結。また自然主義文学の総帥として論陣を張り、『実験小説論』を書く。1891年、文芸家協会会長に選出。1897年暮れからドレフュス事件においてドレフュスを擁護、1898年1月、「私は告発する!」という公開状を発表。そのため起訴され、イギリスに亡命。翌年に帰国、空想社会主義的な『豊穣』『労働』などを書いたが、1902年9月29日、ガス中毒により急死。1908年に遺骸はパンテオン廟に移された

吉田典子[ヨシダノリコ]
1953年生まれ。京都大学大学院文学研究科博士課程修了。現在、神戸大学国際文化学部教授。専門は19世紀フランスの文学と社会文化史
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

みつ

25
バルザックをあれこれ読んだ後、実は初めてのゾラ体験。バルザックの描いた第二共和政までのフランス社会が第二帝政時代に至り、消費社会の到来を告げているように読める。その象徴としてのデパートの誕生とその発展、そこには多くの女性が勤務し、一方で従来の店舗は衰退する。華麗と落魄を対比させながら描いてゆくゾラ。周りに冷遇されながら主任にまでなり社長から熱烈な愛を寄せられ、その上職場の女性たちの労働環境改善にまで積極的なヒロイン像が魅力的。ゾラとしては珍しくハッピー・エンドとのことであるが、影の部分も同様に忘れ難い。2022/12/19

ラウリスタ~

17
特に冒頭と第9章での陳列の描かれ方が面白い。あんまりにも陳腐なラストを迎えたのも、ショーペンハウアーの厭世主義が全盛期だったから、その反動であえてあんなお花畑なエンディングなんだ。前半でも偉そうにしていた貴婦人たちが、泥沼の消費地獄に陥って、万引きで捕まったり、破産して気が狂ったり、デパートのライバルだった小店主たちが自殺したり、病死したり、ホームレスみたいになったりと、主人公以外全員破滅のハッピーな物語。ええんかな。2016/02/17

ろべると

10
19世紀末、パリには巨大なデパートがいくつもオープンし、これまでの古い小売店とは全く異なる大量の商品と豪華絢爛なディスプレイ、大々的な広告でパリ市民の度肝を抜いた。綿密な取材に基づくゾラの筆は押し寄せる女性客の渦と溢れ返る品物が織りなす、めくるめく商業主義の栄華を描いて余すところがない。また休日に店員たちが郊外の川辺でボートに乗りレストランの夕食を愉しむところは、ルノワールらの名画の一場面を彷彿とさせる。周辺の小売店を破滅させたデパートの面影は今はないが、ボン・マルシェなどで往時を偲ぶのも楽しいだろう。2023/07/07

のうみそしる

7
民衆や支配者の浅ましさはいつも通りのゾラ。だが珍しく清廉潔白な聖女が主人公で、最後は分かりやすいハッピーエンド。しかしこれは叢書中の「生きる歓び」とも違った、祈ってばかりでなく、生きるたくましさを持った女、消費されるだけではない女の力強さがうかがえるストーリー。それにしてもこんな膨大な描写ができるほど取材できたゾラはやっぱり努力家であり、同時に文士としての権威や名誉がなければ無理だったろう。ブーラ親父「老人が自分の考えを持って去っていくのを邪魔しまないでくれ」2019/01/25

またゆき

5
巨大なデパートに飲み込まれていくパリの「女たち」皆々様。読み進めていくうちに、まるで自分もこの百貨店で働いているかと錯覚するほどの写実。征服する「女」として立派になっていく主人公の強さ。百貨店で生きる人間たちの妬み嫉みの生々しさ。いや〜もう面白すぎでしょこれ。2018/11/18

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