出版社内容情報
言語の主観性・間主観性の問題に関し、ラネカーの認知文法のsubjectivityの概念と現象を座標軸・参照点にし、考察する。私たちを取り巻いているように見える外界も私たちの内面に感じる世界も、しょせん私たちの認知能力や認知プロセスによって捉えられ構築されるかぎりのものであり、認知主体から独立して客観的に存在するものはなにもない。本書は、言語の主観性・間主観性の問題に関して、ラネカーの認知文法のsubjectivityの概念と現象を座標軸・参照点にし、様々な言語現象との関わりで、諸研究を位置づけまた認知文法自体の新たな展開の提案を行う。
中村 芳久[ナカムラ ヨシヒサ]
金沢大学人間社会学域人文学類教授。英語学、認知言語学、進化言語学。主要業績: 『認知文法論II』(編著、大修館書店、2004)、「認知モードの射程」(『「内」と「外」の言語学』、坪本篤朗・早瀬尚子・和田尚明(編)、開拓社、2009)、「否定と(間)主観性―認知文法における否定―」(『否定と言語理論』、加藤泰彦・吉村あき子・今仁生美(編)、開拓社、2010)、など。
上原 聡[ウエハラ サトシ]
東北大学 高度教養教育機構/大学院国際文化研究科教授。認知言語学、言語類型論、日本語学。主要業績: Syntactic Categories in Japanese: A Cognitive and Typological Introduction(Kurosio Publishers、1998)、『音韻・形態のメカニズム?認知音韻・形態論のアプローチ』(共著、研究社、2007)、「主観性に関する言語の対照と類型」(『ひつじ意味論講座5: 主観性と主体性』、澤田治美(編)、ひつじ書房、2011)、など。
内容説明
私たちを取り巻いているように見える外界も私たちの内面に感じる世界も、しょせん私たちの認知能力や認知プロセスによって捉えられ構築されるかぎりのものであり、認知主体から独立して客観的に存在するものはなにもない。本書は、言語の主観性・間主観性の問題に関して、ラネカーの認知文法のsubjectivityの概念と現象を座標軸・参照点にし、様々な言語現象との関わりで、諸研究を位置づけまた認知文法自体の新たな展開の提案を行う。
目次
第1章 Langackerの視点構図と(間)主観性―認知文法の記述力とその拡張
第2章 ラネカーのsubjectivity理論における「主体性」と「主観性」―言語類型論の観点から
第3章 Subjectificationを三項関係から見直す
第4章 Langackerの言語観と主観性・主体化―事態認知の本質
第5章 傍観者と参与者―認知主体の二つのあり方
第6章 ナラトロジーからみた認知文法の主観性構図―「焦点化」をめぐって
第7章 懸垂分詞構文から見た(inter)subjectivityと(inter)subjectification
第8章 英語の無生物主語構文と対応する日本語表現の認知文法的再考
第9章 言語における再帰と自他認識の構造―認知文法の観点から
第10章 お話への入り込みのメカニズム―「主体性」の全容を解明するための1つの試み
第11章 主観性と言語使用の三層モデル
著者等紹介
中村芳久[ナカムラヨシヒサ]
1951年生まれ。金沢大学人間社会学域人文学類教授。英語学、認知言語学、進化言語学
上原聡[ウエハラサトシ]
東北大学高度教養教育機構/大学院国際文化研究科教授。認知言語学、言語類型論、日本語学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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