内容説明
否定とその関連現象は人間の言語と認知に深く関わり、それらの構造と機能およびそのインターフェイスの解明に不可欠な基礎をなす。本書では現代言語学の観点から統語論・意味論・語用論・史的研究における最新の研究成果を提供する。それぞれの領域における論考は、トピックとアプローチの両面において多彩である。広範な領域からの知見をもとに、否定の全体像を明らかにし、さまざまな研究領域やアプローチの相互理解と将来の発展の可能性を探る。
目次
第1部 統語論(否定と統語論;否定辞移動と否定の作用域;文否定と否定素性移動;両極性表現;否定一致表現の構成要素と認可の方略;否定極性と統語的条件;否定構造と歴史的変化―主要部と否定極性表現を中心に;日本語否定文と文法化―シカ類の変化と変異を中心に;室町時代における否定推量・否定意志の表現;初期近代英語における否定構文―Lampeter Corpusの調査から)
第2部 意味論(否定と意味論;数詞とりたての「も」と否定;「しか」の意味特性と否定;現代日本語の否定とアスペクト・テンス)
第3部 語用論(否定と語用論;否定極性への機能論的アプローチ;談話分析から見た否定:談話機能を探る;新ぐらいス学派語用論からみた否定の諸問題―否定的な推意から否定へ;否定と(間)主観性―認知文法における否定
否定:対立と超越)
著者等紹介
加藤泰彦[カトウヤスヒコ]
上智大学外国語学部言語学副専攻・教授、理論言語学
吉村あき子[ヨシムラアキコ]
奈良女子大学文学部・教授。語用論、意味論
今仁生美[イマニイクミ]
名古屋学院大学外国語学部英米語学科・教授、意味論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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- 和書
- 客はアートでやって来る